大阪市教委に「コロナ対策要請書」を提出

大阪市教委に、以下の「コロナ対策要請書」を提出しました。なお、感染学級での学級全員のPCR検査等を指示した、文中の「文部科学省の8月27日付「事務連絡」」文書は、以下から読めます。
https://www.mext.go.jp/content/20210827-mxt_kouhou02-000004520-1.pdf
(以下、組合「要請書」) 


第5波コロナ感染拡大にともなう学校教育についての、重ねての至急の要請書

2021年9月8日
大阪市教育委員会  教育長 山本 晋次 様

なかまユニオン・大阪市学校教職員支部

前略。組合は8月30日付で表題の件の「要請書」を提出しましたが、その後も感染拡大と連日数十校の休校が続いています。

感染力が飛躍的に強いデルタ株ウイルスに大阪を含めてほぼ替わったので、これまでとは違う防止対策をしないと感染拡大を止められません。そのために文部科学省は8月27日付で「学校で児童生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染が確認された場合の対応のガイドラインの送付について」(初等中等教育局健康教育・食育課「事務連絡」)を都道府県と大阪市などの政令指定都市の教育委員会等に出しました。そこには、「特に緊急事態宣言対象地域等に指定された状況下において、」として以下のことが明記されています。

「※学校において上記①[濃厚接触者]②[濃厚接触者周辺の検査対象となる者]の候補の速やかな特定が困難な場合は、判明した感染者が1人でも、感染状況によっては、原則として当該感染者が属する学級等の全ての者を検査対象の候補とすることが考えられる。」

「別添」3ページ

また、大阪府教委は9月2日付で「児童生徒及び教職員に感染者が確認された場合の基本的な対応について」(教育振興室長「通知」)を出しました。冒頭で「文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課から【別添2】令和3年8月27日付け事務連絡により、対応ガイドラインが示されました。」と明記した上で、「別添1」で府教委としても文科省と同じ内容を重ねて通知し、その末尾の図で
陽性者が確認された場合、濃厚接触者の候補を特定するとともに、陽性者と同じ学級や部活動に所属する全員をPCR検査対象者として保健所にリストを提出する
と明示して確認しています。
 
しかし、大阪市教委は違います! 同じ9月2日付の「新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者特定にかかる新たな取り扱いについて」(保健体育担当課長「事務連絡」)は、用紙書式の資料以外の本文はA4判1枚だけで、8月27日付の文科省文書には一切触れていません。そして以下のことだけを書いています。
「この度、積極的疫学調査について、保健所において発生届が未確認であっても学校園が把握した感染者本人等の情報をもとに、区保健福祉センターが濃厚接触者の特定を行うことができる取り扱いが可能となり、積極的疫学調査の早期終了が見込まれるところです。」

これは、8月27日付の文科省文書の中の次の部分を受けたものだと思われます。

 「・・・学校においては、保健所が示す一定の基準に基づく濃厚接触者やその周辺の検査対象者となる者の特定のため、校内の濃厚接触者等の候補者リストの作成に協力することが必要な場合があります。・・・」

「別添」2ページ

しかし組合からの確認質問に対して市教委は、「この9/2「事務連絡」は、文科省の8/27「事務連絡」文書を受けてのものではありません。」と組合に説明し、一方でその他のどの校長宛の文書でも、文科省から直接受け取っている8/27「事務連絡」文書にある「感染者の学級の全員のPCR検査」等を一切指示していません。

 「感染対策は府にならって一本化している」と言い続けてきた大阪市教委が、府教委と明確に違ってしまっているこの現状の中で、「緊急事態宣言地域等では、学校が検査対象者の特定に協力する。」という文科省の新ガイドラインの中の、最重要な内容である以下のことを、教職員の労働安全衛生環境の保障を含めた「学校の感染防止」のために、大阪市教委も至急に実行するように要請します。 

〇 要請内容

  1. 文科省の8/27「事務連絡」(新「ガイドライン」)は、何よりも大阪を始めとした「緊急事態宣言等の地域」に向けたものなので、校長を始め教職員全員に周知すること。
  2. 文科省の8/27「事務連絡」に書かれている新しい内容を、府教委と同じ様に、大阪市教委も直ちに実施すること。
  3. 学校が検査対象者の特定に協力するにあたって、これまでの大阪市教委のように「濃厚接触者の候補」に限らず、文科省の新ガイドラインの通りに、また府教委と同様に、「濃厚接触者周辺の検査対象となる者の候補」(感染者と同一の学級、部活動に所属する児童生徒等)にも広げること。
  4. 文科省の新ガイドラインの以下の通知「※学校において上記①(濃厚接触者)②(周辺の検査対象者)の候補の速やかな特定が困難な場合は、判明した感染者が1人でも、感染状況によっては、原則として当該感染者が属する学級等の全ての者を検査対象の候補とすることが考えられる。」(下線は組合)の「学級全員のPCR検査」を、大阪市の現在の「感染状況」を踏まえれば直ちに実施するように、校長に指導を徹底すること。
  5. 文科省の新ガイドラインの以下の通知(「別添」4ページ)「同一の学級において複数の児童生徒等の感染が判明した場合」「学級閉鎖を実施する。」「学級閉鎖の期間としては、5~7日程度を目安に、・・・判断する。」「複数の学級を閉鎖するなど、学年内で感染が広がっている可能性が高い場合、学年閉鎖を実施する。」「複数の学年を閉鎖するなど、学校内で感染が広がっている可能性が高い場合、学校全体の臨時休業を実施する。」を実行し、感染拡大を防止すること。
  6. 「新規感染者の増加により保健所等の業務が逼迫し、・・・」(9/2大阪市教委「事務連絡」)という大阪市保健所の調査待ちにせず、学校が調査に協力するという今回の市教委の指示が、逆に学校での不十分な「手抜き」調査に留まっては、感染の拡大という逆結果を生みかねない。上記の①~⑤を校長始め教職員に徹底し、府教委「通知」と同じ様に、この機に「感染校での、子どもと教職員の全員のPCR検査」を、大阪市教委が保健所任せにせずに本気で進めること。
  7. また緊急事態宣言期間中は、運動会等の学校行事と放課後の部活動を中止するように、大阪市教委として指示すること。

以上です。

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