「授業再開に不可欠な教育条件・勤務条件の緊急要求書」(6/1)への追加質問・要求

なかまユニオン・大阪府学校教職員支部 支部長:山田光一

以下の質問・要望について、各項目ごとに、説明・回答を早急に頂くことを申し入れますので、よろしくお願いいたします。

①(P1の後ろから2~1行目の項目について)

府教委は、「保護者から感染が不安で休ませたいと相談があった場合」には、「合理的な理由があると校長が判断した場合には、指導要録上『出席停止・忌引等の日数』とすることも可能だとしている〔「府立学校における新型コロナウィルス感染症対策マニュアル(5/28)」P16〕。しかし校長が欠席と判断することもあり得ることは、保護者・生徒の不安を取り除けず、さらに学校への不信感を増し、生徒の不利益にもなることになる。したがって、学校・校長まかせの対応ではなく、問題を解決できるまでは欠席扱いせず、府教委が責任を持って話し合いの継続等の対応をするようにすべきと考えるが、そうした措置をすることはされないのか、そうされないとするならその理由は何か?

②(P2の「(イ)教育内容について」の7~10行目の項目について)

新型コロナウィルスについて、教職員間でも基礎知識や認識において大きな差があり、感染防止のための最低限必要な対策も含めて、早急に研修が必要である。またその際には3密にならないように、Web等を利用したものにすべきと考えるが、如何か?

➂(P2の「(イ)教育内容について」の11~13行目の項目について)

「年間授業日数の確保」の機械的優先のために、夏休みの大幅な短縮や土曜授業・7時間目授業等を導入するのではなく、カリキュラム削減を文科省に要請し、授業内容の精選を図ることで、学校という場でこそ可能な年間の教育内容を保障すること。また入試日程や出題範囲についても、到達可能な共通のガイドラインを示し、文科省にも要求すること。

④(P2の「(イ)教育内容について」の14~16行目の項目について)

中間テスト・期末テストや各学期の評価についても、各学校の状況に応じて柔軟に扱うことが必要だと考える。チャレンジテストについては、中学3年生のみならず中学1・2年生対象テストも中止し、今年度については、各教育委員会・学校の意見を聞き、他府県同様の各校の評価基準による評定評価をすべきである。学校行事についても、感染防止を大前提に、3密が解消される条件を保障することが難しい場合は中止にせざるを得ないが、その際も、子ども・保護者の声・意見を聞き、話し合う中で実施の可否・形態等を決定すべきと考える。府教委として、各行事の実施に必要な具体的基準等を示されたい。

⑤(P2の「(ウ)感染防止と健康管理対策」の1~4行目の項目について)

民間企業に推奨している在宅勤務・時差通勤を引き続き推進するために、特に高校での始業時間の1時間程度の繰り下げ等による満員電車緩和を推奨すること。そのことは教職員の時差通勤や特に妊娠中の女性教職員等の通勤緩和・休業の取りやすさにもつながるものとして、各学校での時間割・授業編成も含めて、配慮することを校長に通知すること。

⑥(P2の「(ウ)感染防止と健康管理対策」の5~16行目の項目について)

感染防止に必要な非接触型体温計や消毒液すら全く不十分な中で、教職員はこの間の日々変化する教育委員会の通知・指示による対策や感染防止の業務等で過密かつ長時間の労働を余儀なくされている。また、特にトイレの清掃を子どもに担当させないのは当然だが、その担当が養護教諭を始めとした特定の教職員に集中しがちで、感染リスクを高めている。早急に必要な物資を配備し、せめて臨時の措置として校舎内外の清掃・消毒については、清掃業者を配置をする等の対策をすること。また、発熱者と負傷者の看護を分離する等で、養護教諭の過労が急増しているので、養護職員や看護師を臨時に全校に配置すること。

⑦(P2の「(2)の(ア)感染防止と教育条件改善について」)

6月15日から分散登校から通常授業に戻すとしているが、それが可能であることの科学的根拠は何なのか。レベル2からレベル1になったという判断をする根拠について、感染状況からではなく、予定ありきで日程設定していると言わざるを得ない。感染対策会議での議事録等も開示し、上記についての説明をされたい。

レベル1では「身体的距離の確保は1mを目安に学級内での最大限の間隔を取ること」(文科省『学校における新型コロナウィルス感染症に関する衛生管理マニュアルーーー「学校の新しい生活様式—-」』)とされているが、幅がある生徒を点として考え、前後の生徒の身体的距離は85㎝しかなく、机の天板も、65×45㎝ではない70×50㎝を使用している学校も多く、実態に即していない。教室内8列の机配置では通路が40㎝未満になり、生徒の教室の出入りに困難と言わざるを得ない。この文科省も示している40名学級での座席図は現実性がなく、感染の危険性を避けることができない。感染リスクを減らすために、机を離し距離を十分にとった環境を作ることが必要で、そのためにも20人~30人の少人数学級制の導入が至急に求められている。そのために、正規教員増や必要な公務員数増と学級数確保のための統廃合になった学校の復活や増学級・新設も含めた予算措置を政府に要求するとともに、自治体独自の措置を実施すること。そのことによって、一人ひとりに手厚い支援ができるよりよい教育条件も可能となると考える。(現在の分散登校・授業では、過重な労働ではあることは問題だが、1学級20人の少人数授業が「一人ひとりに目が行き届き、子どもと教師が向き合える適正人数」だと再認識させてくれているとの声も出ている。また全国の小中学校での20人学級実現は、約1兆円の予算で可能との試算も)

⑧(P3の「(2)の(エ)非常勤講師の雇用(任用)の継続確保について」)

4月からの学校休業のために多くの非常勤講師が、予定の授業時間を勤務時間と認められず(実技教科ではほぼ0時間の例も)、在宅勤務が適用された5月以降も管理職の対応によっては(すぐには在宅勤務適用を連絡しなかったり、その説明を十分にはしなかった等)本来の勤務時間には程遠い授業時間しか申請されていない場合も多いと推測される。こうした各学校での実態についての調査をするとともに、それらの不足分については何らかの保障がされるべきであると考えるが、如何か。またそのうえで、今後、夏休みや土曜日に授業が組まれて、年度末までに年間雇用契約の35週分を越える場合には、36週以降分の必要な授業時数分の報酬を支払うこと、そのために早急に補正予算を組むこと。

 また上記の20~30人学級の実現や生徒への行き届いた教育の保障のために、非常勤講師の常勤化や教諭採用の拡大を図るべきであると考える如何か。

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