あまりにもずさんなチャレンジテスト実施!居直る府教委!これで公正な高校進学受験ができるわけない!!

 教職員なかまユニオンは、2018年10月23日付で、「本年度実施の中学3年生チャレンジテストを内申資料に使用しないことを求める要望書」を提出し、11月14日の交渉(応接)において、本年度中学3年チャレンジテスト結果の扱いについて、府教育庁に疑問点を問いただしました。11月14日に提出し、交渉(応接)で回答を求めた質問書の項目に沿って、以下、回答内容を報告します。なお、府教育庁の対応者は、 林田主任指導主事(教育振興室高等学校課学事グループ)と辻尾主任指導主事(小中学校課学力向上グループでした。

【出席】 

・組合側:Y.M.T. 

・府教育庁側:林田(教育振興室高等学校課学事グループ主任指導主事)辻尾(小中学校課学力向上グループ主任指導主事) 

1.本来、統一テストは統一日に実施するものであるが、今年だけでなく毎年「後日実施」校(統一日以降に実施した学校)があったことが判明した。(※2016年度26校、2017年度49校)府教育庁はその事実を公表されているか? 

【府】実施校数は公表しているが、母数や「後日実施」校数は公表していない。 

【問題点】 

府教育庁HPに「実施校数(9月6日実施分)402校  実施生徒数(9月6日実施分) 55,986人」との記載はある。しかし、母数や後日実施校数は掲載されていないため、「後日実施」があったことはわからない。 

2.実施以来毎年「後日実施」があるなら、リーフレット・「府内統一ルール」に掲載し「後日実施」の実態や扱いについて周知すべきではないか?

※府内統一ルール(現行)「各中学校は、中学3年生の6月に実施するチャレンジテストの自校の結果と府全体の平均を比べて、 自校の「評定平均の範囲」を算出します。」 【府】リーフレットは毎年5月に作成している。ご意見としてうかがっておく。 

【問題点】 

リーフレット・「府内統一ルール」には、「後日実施」について一切記載がない。そのため、9月7日以降に実施した学校も、中3チャレンジテスト結果を使うと受け止められている。 

3.6月19日業者によって各学校に搬入された問題を2ヶ月以上長期にわたって各学校に保管させていたことにより、府議会で原田亮氏指摘しているように問題出回っていたのではないか? 

※10/18大阪府議会教育常任委員会で自民党原田亮議員が、「後日実施校では、塾やインターネットで試験問題を入手するなど不公平な事例も発生して」いると発言。 

【府】6月19日以降、問題は学校が厳重に保管されていたはずである。また、9月7日以降に実施した中学のチャレンジテストは全体の集計にも入れないし、また、9月6日に実施した学校のように学校の評定平均値の平均算出に使わない。よって9月6日の当日実施した中学については、問題回収の指示も出していない。 

【問題点】 

・6月19日問題が各校に搬入された後、府教育庁(市町村教委)から指示された通り、枚数確認を現場の教員が行なっている。問題を見る機会はいくらでもあり、自校の「評定平均の範囲」をあげるために、まったく見なかったとは言えない。 

・府教育庁は、「台風21号の影響により、9月6日(木)から12日(水)の間に実施することになりました。実施日につきましては各学校へ確認してください。」と告知した。統一実施されないことが判明し、府議会における原田議員の発言のように疑念が起こった。問題は、6日に実施した学校と7日以降に実施した学校が公平に扱われるのかについて明確かつ納得できる説明がないことであるが、しかし、それ以上に大きな問題は、遅れて実施した学校でも同一問題を使い、しかも、後述するように内申資料の「参考にした」ということである。

 4.「平成31年度大阪府公立学校高等学校入学者選抜実施要項」に以下の記載があるが、後日実施の学校73校も、中3チャレンジテストを使うということか? 

※府内統一ルール【第3学年】2 各中学校は、平成 30 年度中学生チャレンジテスト(3年生)結果の平均得点を活用し、在籍する生徒全体の学力状況に応じて「評定平均の目安」を算出し、その目安の±0.3ポイントの「評定平均の範囲」内で調査書の評定を確定する。 

【府】後日実施の73校については中3チャレンジテストの結果は使わない。 

【問題点】 

府教育庁は、9月7日以降に実施した学校は中3チャレンジテストの結果は使わないと説明しながら、「平成31年度大阪府公立学校高等学校入学者選抜実施要項」(10月中旬作成)には、「各中学は、…中略…チャレンジテスト結果を活用し」としている。「「平成31年度大阪府公立学校高等学校入学者選抜実施要項」を読む限りは、すべての学校において中3チャレンジテスト結果を使っていると判断せざるを得ない。 

5.10/12大阪府議会教育常任委員会での下記網代高等学校課長答弁の答弁について 

「後日実施をいたしました中学でも、まずは各校の評価基準に基づいて生徒の評定につけていただくことになります。当該中学校を所管する市町村教育委員会においては、中2チャレンジテストの結果など収集したさまざまな客観的な資料を元にして、当該中学校3年生の全体の評定平均値を確認した上で府教育庁と協議をしていただくことになっております。このようにして当該中学校3年生の評定平均というものが決定されてまいります。」 

 A.後日実施の学校のチャレンジテストの結果は全体の集計に入れないということだが、では、後日実施の中学校の評定平均算出の際においても、中3チャレンジテストの結果は使わない(使ってはいけない)ということが前提となって   いるのか、それとも、市町村教委の判断で使う場合もある(使ってもいい)ということなのか? 

【府】後日実施校については、中3チャレンジテストの結果を使い「評定平均の幅」を算出することはない。しかし、市町村教委が「さまざまな客観的な資料」のひとつとして参考にすることはある。

【問題点】 

府教育庁は、「使わないと言いながら参考にする」という。これは、中3チャレンジテストを使わないならどのような資料を使うのかというユニオン側の追及に応えきれなかったためと考えられる。結局、9月7日以降に実施した学校でも中3チャレンジテスト結果を「使っている」と判断せざるを得ない。そうなら、9月7日以降に実施した「後日実施校」で有利になる学校がある可能性は十分ある。そのことがわかっていながら、つまり公平公正な結果でないことがわかっていながら、「府内統一ルール」を使うのは大きな問題である。 

 B.今現在、後日実施校を所管するすべての市町村教委との協議は終了しているのか? 

【府】終了していない。おそらく12月に入るだろう。 

【問題点】 

本来なら、すべての市町村教委との協議を終えてから、結論を出すべき。ところが、協議が終わらないうちに、「府内統一ルール」に変更なしとの通知を出している。はじめに結論ありきで、「協議」はたんに形式的アリバイ作りと考えざるを得ない。 

 C.市町村教委が後日実施校の評定平均値を確認し、貴教育庁と協議し当該中学の評定平均が決定するというが、それが「府内統一ルール」に即しているかどうかは、どこが判断するのか?市町村教委かそれとも貴教育庁か?

 【府】市町村教委と教育庁とで協議して判断する。 

【問題点】 

最終責任者は府教育庁である筈だ。 

 D.後日実施校を所管する各市町村教委が、「様々な資料」を元にして、と答弁にあるが、市町村教委ごとに変わるのであれば、その整合性はどのような形で取るのか? 

【府】整合性とは?各市町村がそれぞれ適切な資料を用いて判断し、教育庁と協議して決定する。協議の資料すべてを出すわけにはいかない。

【問題点】 

府教育庁は、説明責任はあるといいながら、「協議」についてはまったく説明はできなかった。各市町村教委が、それぞれ独自の「様々な資料」を元にして各校の評定が適正か判断するというが、しかし、現実的に考えれば、それは不可能であるだろう。 

6.本年も「府内統一ルール」を実施するというならば、どのような根拠をもって公平性を担保できるか、学校・保護者そして府民に説明する責任はあるかと考えているのか?それともないと考えているのか? 

【府】説明責任はあると考えている。しかし、これ以上の説明はできない。さらなる機会を設けても同じ説明になる。

【問題点】 

「これ以上の説明はできない、同じ説明になる」との言葉でわかるように根拠を示した説明はできないのは、不公平・不公正と知りつつ「府内統一ルール」を使っているからだと考えざるを得ない。生徒や保護者、府民に説明がつかないまま、府民から見ると不公平にしか見えないことをあえて容認していることは極めて大きな問題である。 

7.大阪市校長会研究部アンケート結果をどのように受け止めているのか? 

【府】そもそも、あれが本当かどうか? 

【問題点】 

大阪市教育委員会が開示した資料について、「本当かどうか」とは、問題発言である。それだけ、府教育庁は、アンケートすなわち現場の生の声を恐れているということである。 

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