団体交渉申入書

2019年5月24日

大阪市教育委員会

   教育長 山本 晋次 様

なかまユニオン大阪市学校教職員支部

支部長 笠松 正俊

 前略。

 大阪市立東淀工業高校の○○△・主務教諭は、本組合の組合員であることを通知します。

 ○○組合員は、2018年度末の不当な人事評価に対して、3月30日付の文書「恣意的に不当な下位評価(第4区分)を人事考課において行われたことに対する苦情 ~ 人事考課権限の濫用と人権侵害について」を提出し、評価の是正を求めています。さらにその後、評価資料になっている「授業アンケート」の「学校平均」数値が改ざんされていることに気づき、4月18日に新・旧2枚の「授業アンケート結果(個人票)」を資料添付して、申し立ての追加意見書を出しました。

 組合は、これに関して以下のことを要求し、団体交渉の開催を申し入れます。

1、要求の理由

さらに、自己評価3.5の評価項目「授業力(学ぶ力の育成)」が3に下げられていることが、 総合評価で3を切った背景になっています。市教委の人事考課シートは「授業力」項目は、「授業アンケート、授業観察の結果をふまえて評価する」としています。

「授業アンケート結果(個人票)」が学校平均値より低いことを示してきました。しかしそれは、2学期に既に全教員に配付されていた個人票とは全く別の物でした。各項目の学校平均値を大きく上方修正し、結果的に○○組合員がほとんどの項目で学校平均を下回る数字に差し替えられていました。その後管理職は、「前のは誤って学校平均値に講師を含めていたので外して修正したら数値が上がった。」と弁明しました

この経過は、校長責任の下に第一次評価者の教頭によって、「授業力」を3に下げるために生徒が書いた授業アンケートの結果数値の改ざんが行われたことを、限りなく大きく疑わせます。それは、事実に基づく公正な評価、という制度の根本を崩壊させるものです。

私たちは、新評価制度が給与反映に直結し、全教職員の勤務労働条件に関わる問題であることを踏まえ、以下を要求します。

2、要求内容

(1) 学校平均値が異なる3種類の「授業アンケート結果(個人票)」が○○組合員に渡されている。最後の3枚目の「学校平均」値が正しいかどうか(偽装、加工されていないか)を組合が検証するために、4月22日に評価対象の全教員に再配付された、東淀工業高校の人事考課対象教員全員分の「授業アンケート結果(個人票)」を、実名は非公開にし代わりに通し番号を付けて、情報提供すること。

(2) ○○組合員の「授業アンケート結果(個人票)」の数値が、「人事考課シート」の「授業力(学ぶ力の育成)」に正当に反映されているかを組合が検証するために、東淀工業高校の対象教員全員分の「人事考課シート」の「授業力(学ぶ力の育成)」項目の評価数値部分のみを、他の部分はマスキング非公開にして、実名非公開で上記(1)と対応する同じ通し番号を付けて、情報提供すること。

(3) 校長と教頭(第一次評価者で実務担当者)は3月27日に2種類目の「授業アンケート結果(個人票)」を○○組合員一人だけに渡し、「授業力」評価項目を「3」にとどめた根拠として、そのほとんどの項目が「学校平均」値を下回っていることを上げた。この2種類目の「学校平均」値を算出した基礎資料を全て、情報提供すること。

(4) 2018年の2学期に全教員に配付された最初の「授業アンケート結果(個人票)」について、その「学校平均」値を算出した基礎資料を全て、情報提供すること。

(5) 「人事考課シート」の「授業力(学ぶ力の育成)」項目を評価するために、「授業アンケート結果(個人票)」とともに2本柱になっている資料の「授業観察」については、校長は「じゃまにならないように廊下で隠れて見ていたが、スマホを触っている生徒が一人いた。」とだけしか説明しなかった。校長の授業観察は一年間一度もなかったが、「隠れて見ていた」というものも含めて、○○組合員の一年間の「授業観察記録」の全てを、○○組合員本人と、本人が了解している組合に、開示すること。

(6) 「授業力(学ぶ力の育成)」項目は、「授業アンケート、授業観察の結果をふまえて評価する」としているが、「授業アンケート」「授業観察」「その他の結果資料」の重視の割合を市教委は制度としては校長に示していない。東淀工業高校の前任校長は全教員に対して上記の3要素をどういう重視割合で評価したのかを市教委が調査し、その結果を情報提供すること。

(7) 3月22日の段階で校長室で教頭が○○組合員に、「授業アンケートの(校内)順位」なる文書を示し、「学校平均を超えていると言うが、○○さんはほぼ平均です。」という趣旨の説明をした。この文書は教員全員のランキング表のように見えたが、写しは受け取っていない。不正を解明する参考資料として、この文書(教頭が作成か?)を、○○組合員以外の実名はマスキングして、情報提供すること。

(8) 「人事考課シート」の評価結果を「第4区分」の低評価にした根拠の一つとして校長は、半年ほど前の同僚教員への仕事上の不適切な発言を上げているが、その内容は伝聞に基づく虚偽で事実無根です。「指導育成力」項目を低評価にしている、校長の業務メモを含めた根拠資料を全て、○○組合員と組合に、開示すること。

(9) 上記(1)~(8)の不正の解明を踏まえて、○○組合員の「授業力」評価と、総合評価結果(第4区分)を、公正に是正すること。

(10) 東淀工業高校に限らず数多くの学校で、低評価者を創ることを吉村・前市長から強要されてきた校長・教頭(第一次評価者)による不当・不正な評価が発生していることが危惧される。その背景の、2018年度から強行実施している、一部上位区分に相対評価を導入した新評価制度は、教員への相対評価の適用除外を明記した「大阪市職員基本条例」に違反したままの強行であり、中止すること。

                                                                                                                                            以上です。

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