6月30日「君が代」調教NO!裁判第3回口頭弁論 傍聴・報告集会参加、ありがとうございました

6月30日の期日に向けて、私が不起立処分を受けた時に勤務していた中野中学校校区に「えぇっ!元中野中学校の先生が…!?市教委相手に裁判!?」の見出しの裁判紹介ビラのポスティングを行いました。支援の多くの方に協力いただき、3週間かけて約15000枚校区のほぼ全戸にポスティングできました。「『君が代』調教NO!処分取消裁判」第3回口頭弁論には、そのビラを見てこの裁判を知ったという方2人傍聴に来られました。社会のあり方として、「君が代」起立・斉唱できない教員を処罰する社会であっていいのかと問題提起する一歩になったと感じています。

今、大阪地裁の傍聴席は一つ空けて座るコロナ定員なので、口頭弁論が行われた大阪地裁809号法廷の定員は18人でした。市教委の裁判担当が2人入ったので、支援に来ていただいた人で傍聴できたのは、16人だけでした。弁護士さんから裁判長に「次回は大法廷を検討してほしい」と要望してもらいましたが、この日の法廷が終わった時点では、次回第4回口頭弁論の場所は未定です。

第3回口頭弁論では、前回口頭弁論で原告(私)が陳述した、被告答弁書への全面的反論・原告第1準備書面(42ページ)に対して、被告(大阪市)が反論する被告第1準備書面を陳述しました。原告(私)の方からは、請求原因を追加する書面として、原告第2準備書面を陳述しました。これは、2015年1月23日付教育長通知で命じられた内容の2015年3月12日中野中学校卒業式が、憲法26条、教育基本法前文、第1条等、及び、子どもの権利条約第28条2項、第29条1項に違反する違法な特別教育活動であり、その式次第に従うべく命じられた職務命令並びに大阪市国旗国歌条例第4条の適用が違法であると主張するものです。裁判長が、原告・被告それぞれに、相手方書面に対する反論意思を確認し、次回第4回口頭弁論日時を9月22日(水)13:30に決めて閉廷しました。どの法廷になるかは未定です。

ひき続き、弁護士会館に場所を移して報告集会を行いました。

谷弁護士から被告第1準備書面と原告第2準備書面について概略の説明があった後、冠木弁護士から、原告第2準備書面について詳しい説明がありました。まず、1910年発行の学校儀式要鑑にある教育者・相島亀三郎の見解(学校儀式の教育的価値は会場の様子・雰囲気による感情の陶冶にあり、訓話の内容よりも儀式そのものやり方、外形にあらわわれる部分だと指摘する見解)の紹介を通して、戦前の学校儀式による「教育」が「教化」であったことを確認していること。次に、戦後、日本国憲法と旧教育基本法の成立によって「国家のための、臣民としての教化」は否定され、平和的な国家及び社会の形成者としての「国民の育成」を目的とした教育を受けることが国民の基本的人権として保障されたこと。卒業式・入学式においては、教育を受ける権利の主体である児童・生徒を主人公とする努力がなされてきたこと。それらの努力は押しつぶされ、強制によって、壇上正面に貼られた「日の丸」に向かって、全員が、姿勢を正して「君が代」を斉唱させられることによって国家への敬意を刷り込まれる現在の大阪市立学校の卒・入学式による「教育」は、戦前と変わらない「教化」であり、憲法、教育基本法、子どもの権利条約に違反すること。等です。冠木弁護士からは、最後に。この原告第2準備書面は、「君が代」処分撤回裁判としては、新しい切り口の主張であり、支援運動の広がりにつながる可能性があることが指摘されました。(証拠として提出した、卒業式改革の努力についての証言・小芝証言と添付資料を回覧しました)

 

私の方からは、まず、被告第1準備書面が「原告は縷々主張しているが、被告は本件の判断にあたって必要と考える点について反論を行う。」として、事実関係の部分をスルーしていることの意味が大きいと思うという感想を述べました。私は、訴状、第1準備書面に、校長が不起立を目立たせないようにする座席配置を行ったこともあって「生徒・保護者のほとんどだれも私の不起立を見ていない」という、5年にわたる人事委員会審理の中で明らかにしてきた事実を記載しています。それに反論しないまま、大阪市はこの書面の中でも、また「特に卒業式という節目となる式典において非違行為を行ったことで、生徒としてもその記憶は障害(ママ)にわたって残り得るのであり、影響は極めて大きい。」とコピペによって主張しています。しかし、認定された事実をもとにすれば、どの生徒にどんな記憶として残るのか答えられないのは明らかです。次に、被告(大阪市)が原告第2準備書面に次回反論すると答えたことについて、意味が大きいと思うという感想を述べました。今回の被告第1準備書面でも、原告第1準備書面の第2と第4には反論せずにスルーしています。学校儀式を通した教育のあり方については、彼らが一貫して論点にすることを避けてきた部分です。それを正面から問題にする原告第2準備書面に対して、次回、被告大阪市がどんな反論をするのか大変興味深いと思います。最後に、こちらが、東京の判決は、大阪のこの件には援用できないと主張したことに、2015年12月21日の大阪地裁判決(奥野さんの減給処分に対する内藤裁判長の判決)を持ち出してきたことに対して、ZAZAでともに大阪府を相手に闘ってきた仲間と共通の土俵ができたと思ったという感想を言いました。大阪府立学校のZAZAの仲間が大阪府の国旗国歌条例や職員基本条例を問題にして訴えた裁判で、内藤裁判長は、こちらの訴えた内容を無視し、何らの根拠も示すことなく、「君が代」起立が「慣例上の儀礼的所作」であるとの東京の判決を踏襲、国旗国歌条例や職員基本条例が合憲としました。悔しい思いをしましたが、大阪市がその判決を反論の根拠に持ち出したことで、他のZAZAメンバーと共通の土俵で、反論の機会する機会ができたと思います。

ポスティングされたビラを見て来てくれた人からは、愛国心のあり方としてこんなやり方で押し付けられるのはおかしいと思う、人権の問題だと思うとの発言がありました。訴えれば、応えてくれる人がいることを実感できる報告集会になりました。

今後ともご支援、よろしくお願いします。

※中野中学校区配布裁判紹介チラシ

https://democracyforteachers.files.wordpress.com/2021/06/d-tac_bira_nakanochugakko.pdf

※訴状

https://democracyforteachers.files.wordpress.com/2020/12/sojou.pdf

※答弁書

https://democracyforteachers.files.wordpress.com/2021/03/20210216oosakashitobensho.pdf

※原告第1準備書面

https://democracyforteachers.files.wordpress.com/2021/04/syomen20210416.pdf

※被告第1準備書面

https://democracyforteachers.files.wordpress.com/2021/06/20210622hikokujunbishomen1.pdf

※原告第2準備書面

https://democracyforteachers.files.wordpress.com/2021/06/20210623genkokujunbishomen2.pdf

※小芝証言

https://democracyforteachers.files.wordpress.com/2021/07/koshibashogen.pdf

タイトルとURLをコピーしました