同僚のみなさん、見守って下さってありがとうございます

「君が代」不起立処分をめぐって「調教教育」「パワハラ条例」「橋下・維新の教育支配」を問い続けます! 注目・ご支援ください! 

2015年3月30日 ●●●●

 3月12日卒業式での私の「君が代」不起立にかかわって、3月16日に事情聴取があり、今、処分の過程にあります。市教委教務部教職員人事担当服務監察グループが所管課ですが、処分決定にいたる日程は教えてくれません。人事監察委員会教職員分限懲戒部会の意見を聞き、教育委員会会議で決定するという流れです。私の罪状は、大阪市国旗国歌条例に基づく職務命令違反であり、処分内容は、大阪市職員基本条例によって決定されます。

 この2つの条例は、橋下氏が府知事の時代、維新の会をつくってから、「君が代」不起立のような教員は生徒の前に立たせないとして、数を背景に強引に成立させたものです。2011年6月に大阪府議会で国旗国歌条例=起立強制条例をつくってから、8月に教育基本条例・職員基本条例を提案、11月の選挙で、大阪市長に転身してから、2012年2月に大阪市でも国旗国歌条例を制定、3月の府議会に続いて、5月には大阪市議会でも職員基本条例を成立させました。大阪市の職員基本条例は大阪府の職員基本条例に比べても重罰主義であり、力で持って思想改造させるという考えに貫かれているひどいパワハラ条例です。同一職務命令3回で免職と言う有名な規定はもちろん、職務命令違反は「減給または戒告」で、恣意的に減給にもでき、また、それ以上の懲戒=停職にもできる規定になっています。【大阪府の条例は、「(職務命令違反の)標準的な懲戒処分は戒告とする」となっています】大阪市職員基本条例では、更に、職務命令違反を繰り返させない措置として、研修を規定し、「職務命令違反を繰り返す職員に対する第1項の研修は、当該職員に職務上の命令に違反することに対する意識の改善があると認められるまでの間、第14条2項の職場外での研修として、実施しなければならない」(第43条第4項)としています。すなわち、思想改造するまで、生徒の前に立たせないと言っているのです。

 橋下・維新の会は、このようなパワハラ条例をつくっておいて、「ルール」だから従えと脅しました。それでも「天皇制賛美の『君が代』を起立斉唱し、生徒に『しっかり歌いましょう』と呼びかけることはできない」と意思表示する人に対しては、「たいへんなことになるぞ」「生徒に迷惑が及ぶぞ」と脅し、橋下・維新の教育支配に加担することを「生徒のため」と理屈づけし、職場の同僚にまで、その非難に加わるように圧力をかけました。3年前の中学校卒業式の「君が代」不起立者に対するすさまじいパワハラ攻撃とその後の起立斉唱すると明言しない者を卒業式に出させないなどの人権侵害横行を、私は悔しい思いをしながら見ていました。

 私が、今度、その当事者になった時、同僚のみなさんが、不起立に対する圧力をかける側に回らず、見守って下さったことに感謝します。

私は、3月16日の事情聴取のとき、「命令・ルールは守るべき」という立場に立って尋問する教育委員会事務局職員に対して、「私が問われていると同時に、(あなたも含めて)みんな問われていると思っています。」と言いました。そして、ヨーロッパの各国からドイツ東部やポーランドにある収容所へとユダヤ人を移送する業務を統括していて1962年に死刑になったアドルフ・アイヒマンが、「思考停止し(当時はやるべき仕事として与えられていた)己の義務を淡々とこなすだけの小役人だった」ことを描いた映画のことにもふれました。私たち教職員は、ひどい圧力を受けていますが、そんな立場だからしかたないと合理化してしまえば、子どもたちにその矛盾を押しつけてしまう立場になってしまいます。

日本の教育現場は、すでに子どもたちを戦場に送り込む役割の一端をかなりの程度担わされているのではなかと思うことがあります。かつて、天皇が神とされた時代、日本を支配してきた人たちは、「臣民」に、天皇統治の永遠を願う「君が代」を歌わせることで、暗黒の建前社会をつくり、自分の子どもや愛する人が兵隊にとられることを決して望まない民衆を黙らせ、従わせて侵略戦争に突入していきました。今、また、かつて、「君が代」が「天皇陛下のお治めになる世の中が末永く続きますように」という意味とされていたことも伝えずに、一方的に歌うことを強制しています。この現状をつくり出しているのが、勝手に学習指導要領に国旗国歌条項を入れ、その規定を根拠に卒・入学式に『日の丸』『君が代』を位置づけて起立・斉唱を強制してきた歴代自民党政府であり、パワハラ条例をつくり、学校教育から戦前の負の歴史・歴史の反省を完全に消し去ろうとしている橋下・維新の会だと思うのです。

 私たちは、このようなひどい企みに屈してはいけないと思います。いろんな抵抗のあり方があります。大事なのは、どんなことでも自分ができることを見つけ、声を上げることだと思います。

 私は、自分の歩んできた歴史の中から、「君が代」不起立によって、「調教教育」「パワハラ条例」「橋下・維新の教育支配」を問うことが自分の役割だと思っています。今後も、状況を伝えていきたいと思います。是非、注目、ご支援ください。

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