【久保校長文書訓告取消陳情審査 2021.12.1教育こども委員会報告】 255人の意見書、180通の意見…信用失墜行為はどちらなのか!総合教育会議での大森特別顧問の「提言」批判が問題に!

『大阪市立小学校校長の「提言」にかかわる文書訓告取消の検討を求める陳情書』についての審議が、12月1日、大阪市会教育こども委員会で行われました。

12月6日、記録映像が大阪市ホームページに公開されました。http://osaka.gijiroku.com/g07_Video2_Search.asp
http://osaka.gijiroku.com/g07_Video2_View.asp?SrchID=1528

結果

2021年12月1日教育こども委員会(委員14人)

『…文書訓告取消の検討を求める陳情書(陳情123号)』各派態度

維新(議長を除き6人) 不採択 意見表明なし
公明(3人) 継続審議 意見表明なし
自民(2人) 採択 意見表明:北野議員(記録映像0:20~21:20)
自民・くらし(1人) 採択 意見表明 武議員(記録映像47:00~49:13)
共産(1人) 採択 意見表明 井上議員(記録映像1:15:20~1:27:10)
⇒過半数なしで裁決せず(記録映像1:49:05~1:50:25)

しかし、北野議員(自民)、武議員(自民・くらし)、井上議員(共産)に「採択」の立場で、質疑いただきました

北野議員は、文書訓告の理由とされた「信用失墜行為」に客観的な基準はなく市教委が判断したこと、行政措置である文書訓告は懲戒処分など行政処分に準じるもので事実認定に重大な誤認があるなど瑕疵があれば取消できることを確認し、255人の意見書・180通の意見等を示し、教育長に取り消しを迫りました。松井市長の指示により大阪市総合教育会議の中で次期教育振興基本計画についての「提案」を行った大森不二雄大阪市特別顧問が、市民の意思に反して、久保校長「提言」を一方的な決めつけで非難したことも問題だと指摘しました。

武議員は、公文書公開請求によって明らかになった久保校長の顛末書を紹介し、混乱していた様子、その中で現場としては最善の選択をされている様子、やむにやまれぬ思いで提言を提出した様子がよくわかる、(これを文書訓告にするのは)権力の使い方としては、こういう現状はこわいというのが率直な想いですと指摘しました。

井上委員は、文書訓告が公表された8月20日からホームページから削除された9月21日まで、公表ページの「ご意見欄」に寄せられた180通の意見内容を具体的に紹介。提言の文言を取り上げて「教職員が疲弊している」原因を指摘し、一人でも意見が言えることの重要性を訴えました。

これらの質疑により、この文書訓告が不当であることが誰の目にも明らかになりました。感謝です。

以下、北野議員の質疑のやり取りの書き起こし(一部)を掲載します。

北野議員質疑(2021.12.1教育こども委員会 一部要旨 一部書き起こし)

要旨

北野議員

陳情書の『…具体的な説明を求められた市教委担当者は答えることができませんでした。』について説明を

⇒【服務監察担当課長

人事管理にかかわる情報…いったん保留し、後日文書で回答した。(※まったく回答になっていない回答)

北野議員

地公法33条(信用失墜行為)が文書訓告の理由とのことだが、信用失墜行為と誰が判断したのか?

⇒【服務監察担当課長

信用失墜行為については一般的な基準は立てがたく、健全な社会通念にものづいて個別に判断。当該事案については教育委員会において慎重に検討し判断した。

北野議員

文書訓告という措置を公表したホームぺージの「ご意見欄」に1か月の公表期間に寄せられた180件の文書訓告批判・久保校長擁護の意見をどう扱ったのか?

⇒【服務監察担当課長

書き込みについては、供覧手続きを行い、組織として受け止め、ご意見として承った。

以下 書き起こし

北野議員

後ほど教育振興基本計画素案が報告される予定でございます。これは令和4年から令和7年までの本市教育の根幹をなす新たな計画として策定する非常に重要なものと位置づけております。それに対して、大森特別顧問は、6月29日大阪市の総合教育会議の提案という形で、ここに持って来たんですけれども、わざわざ「次期教育振興基本計画策定に向けて(提案)」ということで、非常にフォントの大きい、自分の名前が入った、このような提案書が出されたと…これ以外にもあるんですよ。特に、デジタルトランスフォーメーションについてはかなり詳しいものが出ていますね。この中で、わざわざ本件事案についてふれておられる。これにちょっと注目したいと思います。大森顧問はいろいろこの間の議論をご存じの方はよくご存じだと思いますけれども、もともと教育委員でいらっしゃいました。後ほど職場が変わられて東北大学に行かれたときに、特別顧問という形で本市の教育行政にかかわりを持っていらっしゃいます。この総合教育会議というものに向けて出された提案書なんですけれども、総合教育会議とは何かということにちょっとふれておきますと、教育委員会と首長の間がちょっと距離が遠いということで、そこの距離を埋めていくためにやっているんだというようなことが逐条解説にも書いてございます。そういう性質のものである会議体にオブザーバーとして特別顧問がかかわってらっしゃるんですね。そういう方がわざわざ今度の教育振興基本計画の策定に向けてという非常に大事なこれから向こう5年間にわたる「教育振興計画の策定にあたって」という中で、本件についてわざわざふれておられる。しかも、ちょっと何か、こう…なんて言いますか、決めつけに近いような文言がありますので、少しご紹介しておきたいと思います。ちょっと読みますので聞いておいてくださいね。「子どもたちの未来に対する責任を自覚していないかのような意見、保護者や市民対する説明責任を放棄するかのような考え方が、学校の責任者から語られる現実は、まったくもって信じがたい」というふうに書いていらっしゃいます。これは「子どもたちの未来に責任を持つ」という項目で書いていらっしゃいます。そして、さらに、別のページでは、「学力を向上できるのは学校現場だけ」というところで、「校長の方針の下で、教師が一丸となって、子どもたちに高い期待をかけ続けることが必要である。『この子に期待できるのはこの程度。勉強以外で居場所があればいい』などと期待値を下げるような意識が、その子の将来の可能性を狭める。」というふうなご意見をお寄せになっているんですね。何を考えようと自由です。しかしながらお立場を考えられての発言だとするならば、わざわざこの場でおっしゃる必要があったのかなということは、一応警告と言いますか、皆様方にお伝えしておきたいなと感じましたので、今ご披露をさせていただきました。本市の教育に個人的に大きな影響力を持つというようなお立場でいらっしゃって、このような方が、このような発言をされていることに関して、教育委員会の運営には疑問を感じるのですけれども,委員会的にはどうでしょうか。お答えください。

⇒【総務部教育政策課長

お答えいたします。総合教育会議は地方教育行政の組織及び運営に関する法律、及び、大阪市総合教育会議設置要綱に基づき、市長と教育委員会が相互の連携を緊密にしながら地域の実情に応じた教育行政を推進するために開催しております。本会議は市長の権限により開催される会議であり、協議を行うにあたりましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の4第5項、及び、大阪市総合教育会議設置要綱第5条に基づき、関係者または学識経験を有する者に出席を求め、協議すべき事項に関して意見を聞くことが可能となっております。大森不二雄特別顧問につきましては、市長の特別顧問として市長の指示により本会議に出席し、意見、提案を行っているものでございます。なお、総合教育会議は、協議及び事務の調整の場であり、最終的な執行権限は教育委員会にございますため、本会議で協議した事項につきましては、協議内容を踏まえ教育委員会において決定していくものでございます。以上でございます。

北野議員

今、答弁の冒頭に示されました法律の名前ですね、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、これに書かれております総合教育会議というのを先ほどちょっとご紹介申し上げましたけれども、そこにはこのような記述がございます。地域の教育の課題やあるべき姿を共有して、より一層民意を反映した教育行政の推進を図ることを目的としていると。これが総合教育会議であるというふうに書かれています。このより民意を反映してというところなんですけれども、先ほどの発言の内容を照らし合わせて考えてみますと、前回の委員会でご紹介申し上げました255人の意見書が教育長に公開で出されているというふうなことと、今回、ハプニングで教育委員会に集まってしまった180の市民の意見、これを合わせましても500近いぐらいの意見が寄せられており、この久保校長の行いに対して肯定的であり、非常に評価がなされている中で、「これはけしからん」という内容の発言であったわけなんですね。このことが雄弁に物語っているように今回の事案の取り扱いについて、民意に沿っているのかというようなことを考えるべきではないかというふうに思いまして、この陳情項目である文書訓告の取り消し、これを求めておられる陳情書でございますので、このことについて人事室に見解をお伺いいたします

⇒【人事室人事課長

お答えをいたします。当該事案におきます文書訓告におきましては教育委員会においてなされたものでございますけれども、本市におきます文書訓告につきましては、地方公務員法第29条に基づく懲戒処分に科する程度に至らない軽易な非違行為に対して、文書をもって将来を戒める措置でありまして、行政処分ではないものの懲戒処分に準じて取り扱うべきものと考えます。一般的に懲戒処分等の行政処分は処分庁において自由に取り消し得るものではなく、事実認定に重大な誤認があるなど、当該処分に一定の瑕疵がある場合に限って取り消し得るものとされております。以上です。

北野議員

委員の先生方、今お聞きのようにですね、私も勘違いしておりまして、この文書訓告というのが措置であって処分ではない、行政処分ではないから処分の取り消しを求めるということに対してはできないと、私、勘違いしていたんです。ところが、今の人事室、わざわざお越しいただきまして、明快にお答えいただきましたように、この措置ですね、文書訓告という措置も非常に事実認定に重大な誤認があるなど、簡単ではないけれども、率直に言えば取り消せるというふうなことなんです。これは、私、初めて知りまして、ちょっとびっくりしたんですけれども、簡単ではないけれども取り消そうと思ったら取り消せるというふうなことを知りました。そこでちょっと教育長にお聞きしたいんですけれども、今回陳情が上がってまいりました。文書訓告ということを取り消せることを今確認しました。こないだ、私とのやり取りでいろいろ胸の内をおっしゃていただきましたけれども、この当該文書訓告の取り消しを検討するお考えはあるんでしょうか、ないんでしょうか、お答えください

以下 要旨

⇒【山本教育長

危機管理下の状況にあって、本市教育行政の批判を含む内容を広めて一定の混乱も生じたことに対し、学校の責任者としてもう少し慎重に対応していただきたかったということで、文書をもって注意した。妥当な判断であった。

北野議員

広めたといっても校長自身は不作為、信用失墜行為にあたらないことは明らか。自由にものが言えない、意見を言えば処分ということでは、いい人材に来てもらえない。教育現場と教育委員会の間の風通しが良くなる契機となることを願ってわが会派は陳情採択の態度を決定した。

参考

★久保校長提言批判の大森発言は6.29大阪市総合教育会議ユーチューブ映像(2:05:51) の1:06:40~1:12:40  Q2Ba令和3年度第1回大阪市総合教育会議 – YouTube

★2021年度第1回大阪市総合教育会議開催結果(提出資料と議事録、会議映像)はこちら  https://大阪市:令和3年度第1回大阪市総合教育会議開催結果 (…>市政の総合調整>会議の開催状況) (osaka.lg.jp)

★議事録の大森発言はP16~P18  hitsu/cmsfiles/contents/0000539/539177/gijiroku.pdfgijiroku.pdf (osaka.lg.jp)

 【補足】(北野議員質疑の補足)

陳情書「市教委担当者は答えることができませんでした」にかかわって

以下、書き起こし

北野議員

陳情趣旨には、当該事案の団体との協議の中で、「文書訓告の文書と『提言』の該当箇所を比較して、訓告理由について具体的な説明を求められた市教委担当者は答えることができませんでした」というふうな記載がございました。この記載についての詳細を伺ってまいります。

服務監察担当課長

お答えいたします。当該事案に関しては、団体からの要請に基づき、今年7月20日と11月1日に協議を行っていましたが、委員ご指摘の記載については、11月1日の協議でのやり取りを受けたものではないかと考えております。当日の約2時間にわたる協議の中で、文書訓告の理由に関する詳細かつ具体的な質問がございましたが、人事管理にかかる事務については、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼす恐れのある情報などを答えることができないため、団体との協議の場においては後日回答する旨をお伝えしたうえで、いったん回答を保留し、改めて教育委員会事務局より文書にて回答(※)したところでございます。

文書による回答(2021.11.16)

11.1協議時の質問(市教委が整理したもの)>

①文書訓告中の2段落目に「・・・子どもの安心、安全に関する教育委員会の対応に懸念を生じさせ、関係教職員らの努力を蔑ろにした」と記載があるが、どの表現、どの内容について、蔑ろにしたことになるのか。

②文書訓告中に記載されている、「・・・・独自の意見に基づいて」とあるが、独自の意見とはどのようなものになるのか。

<①②への共通回答

「コロナ禍により前倒しになったGIGAスクール構想に伴う一人一台端末の配備についても、通信環境の整備等十分に練られることないまま場当たり的な計画で進められており、学校現場では今後の進展に危惧していた。3回目の緊急事態宣言発出に伴って、大阪市長が全小中学校でオンライン授業を行うとしたことを発端に、そのお粗末な状況が露呈したわけだが、その結果、学校現場は混乱を極め、何より保護者や児童生徒に大きな負担がかかっている。結局、子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出している」との意見。

※この回答についての私たちのコメント

市教委が持ち帰ったのは、「提言」のこの部分の【どの表現、どの内容について、蔑ろにしたことになるのか】【独自の意見とはどのようなものになるのか】への回答=「蔑ろ」と評価する理由、「独自の意見」と評価する理由だったはず。まったく答えになっていない。

★文書訓告の文面の理解を質問したことに対し、「公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼす恐れのある情報などを答えることができないため」文書回答としたというのはへ理屈にもなっていない。その文書回答がこれ。「市教委は自ら発した文書訓告の理由が説明できなかった」という指摘はまったく正当

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