大阪府教育委員会への2014年度基本要求

2014年度基本要求について、以下の要求書を大阪府教委に提出しました。団体交渉は、2月6日(金)です。

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大阪府教育委員会                      2015年1月21日

教育委員長 陰山 英男 様

                        なかまユニオン

                          大阪府学校教職員支部  

                               支部長 山田光一

                          大阪市学校教職員支部

                               支部長 笠松正俊

要 求 書

わたしたち、なかまユニオン大阪府大阪市学校教職員支部は、支部組合員と大阪府内教職員の勤務条件の維持改善を図り、子どもたちの人権を守り、学校教育を民主的に発展させ、戦争のない民主的な社会をつくることを目的とし、保護者・市民と必要な連携を図り活動することを決意し、2005年4月9日に組合を結成し、大阪府教育委員会と交渉を重ねてきました。

とりわけ、ここ数年大阪維新により強行された教育関係諸条例は、行政による教育介入・数々のパワハラを招き、教育現場を混乱させ、大阪の教育の衰退を招いています。教育関連諸条例の廃止を労使が共に働きかけることが求められています。

なかまユニオンは、大阪府が一人ひとりの子どもの人権が尊重され、ゆたかにそだつ学校教育を保障するとともに、子どもたちの親の声・市民の声に耳を傾け、貧困と戦争のない民主的な社会をつくることをめざして、下記の要求事項を実現されるよう求めます。

1.中原教育長の立川委員をはじめとする教育委員への度重なる発言は、立川委員らの意見表明を阻害、誹謗中傷するもので、さらに知事権限を持ち出すなどパワハラそのものであり、教育委員会議の議論妨害にあたり事務の最高責任者としての適格性を欠くものである。中原教育長の異常な行動を反省し、大阪府教育委員会の正常な運営を確保するため、中原教育長が辞任すること。

2.各学校の独自性・創造性を奪う、学校「内規」「職員会議規定」廃止は職場に混乱をもたらし百害あって一利なしである。直ちに、廃止通達・指針を撤回すること。上記事態はILOユネスコ「教員の地位勧告」の前文、9条、10条、146条で示されている内容に違反しており、直ちに内容遵守を約束すること。

3.「教職員の評価・育成システム」について

①評価システムに保護者・生徒を巻き込む「授業アンケート」を中止せよ。「授業アンケート」を使った評価システム改悪、「指導力不足」教員探しをやめよ。評価対象者で利益関係者の教職員に、昨年度より強行された「授業アンケート」についての意見聴取を行うこと。検証のための第3者機関を設置すること。運用の中で男女の平等性、役職による公平性が守られているか否かの検証を怠ってきたことを改め、直ちに検証を実施すること。

②「特段に低い」判定に「平均2.5以下」を持ち込むことは、評価点数の中位を「特段に低い」とするも   ので、「低い」とされるB、C評価を増やす意図しかなく常識外の方法である。授業アンケートの結果判   定に数値基準を導入することは意味をなさないというだけでなく、相対評価導入で授業評価と教員評価   を中身のない順序付けに変えるものであり、撤回すること。

③教育意欲・教育向上に悪影響をもたらす給与反映を直ちにやめること。自己申告票未提出をもって昇給しないものとする「給与上の措置」を撤廃すること。CEART報告及び勧告に基づき、教員評価に、本人及び組合の参加を認めること。

④授業が「学校教育活動の中心をなすもの」とするならば、「指導・育成」を行う校長は、教科の専門性を兼ね備えた人物(同じ教科の校長)とすべきで、ましてや民間人校長などの教職免許すら持たない職員は評価者から外すべきである。

⑤C評価を理由として再任用を拒否しないこと。評価結果の再任用職員の勤勉手当への反映を止めるこ   と。再任用条件に教員評価を加えることは許されない。

4.①卒・入学式「日の丸・君が代」強制の違法な校長への職務命令指示及び「教育長職務命令」を撤回すること。

②憲法違反の「口元チェック」通知に関するこれまでの経過等について謝罪と説明を行うこと。

③「日の丸・君が代」がアジア太平洋戦争推進に果たした歴史、国旗・国歌法の内容と制定過程についての指導・学習を保障すること。

④T組合員への、君が代不起立を口実とした減給・戒告処分を撤回すること。

⑤Y組合員、M組合員への、君が代不起立を口実とした戒告処分を撤回すること。     

5.実教出版社会科教科書採択への中原教育長の介入を謝罪し、現場の教科書選定を保障すること。各学校の教科書選定委員会廃止の通達、及び、実教出版「日本史」教科書採用校への「補完教材」使用強制を撤回すること。上記事態はILOユネスコ「教員の地位勧告」の61条、62条、77条で示されている内容に違反しており、直ちに内容遵守を約束すること。

 6.行き届いた教育を実現するために、学級定数減、教職員大幅増、給与削減撤回、現場からの施設設備要求に応えること。

①一昨年導入した入試制度(前・後期入試実施)は進路保障を実現しておらず、それどころか現場の混乱を招き破たんした。導入強行を謝罪し、現場の教員の声を反映した入試制度に抜本的に改めること。

②私学・公立高校を生き残り競争にさらす教育政策を改めること。「進学特色校」への差別的予算措置をやめ、府立学校での学校予算を均等に増額すること。

③超勤実態調査の集計結果、検証結果を明らかにし、直ちに労働条件改善のための施策を行うこと。実態に合わない退勤スリット導入の問題点を調査し検証すること。

④講師の希望者が不足し、病休代替教員などの不在が続いている現状を解決するため、講師賃金の引き上げ、給与改善を行え。

⑤次年度の人員配置計画を常勤講師・再任用職員で補うのではなく、新規採用の数を大幅に増やすこと。代替教職員の定数上の取扱いについては、定数条例の対象外とすること。

7.①「土曜日授業解禁」について、学校勤務は授業に留まるものではない。保健室の維持、生指指導、進路対応、保護者対応、朝・帰りのクラス指導など考慮すべき業務が存在する。教員の増員を伴わない土曜開校はこれらの業務を過重に課すものである。「特別な措置をしない」を「学校の実情にあわせ、特別な措置を考慮する」に変更すること。土曜授業の担当者を決める際に、機械的に決めるのでなく、必ず当該教員の了解を前提とすること。

②教員の宿泊行事付添いに食費・付添い手当などを措置すること。貧しいクラブ付添予算を現場に押し付けることをやめ、クラブ・合宿などに充分な予算措置を行うこと。社会人指導員の配置回数を大幅に増やし、社会人指導員の合宿付添に関わる必要な経費を支給すること。

③Ty組合員にかかわる未払いの分通勤手当を支給すること。介護、部活動等にかかわる自動車通勤の認   定について、『平成19年通知』を抜本的に見直し、生活・教育上の必要に応じ柔軟に行うこと。家庭訪問について自家用車等による出張を公式に認めること。 

8.学校現場でのパワハラ相談件数・実態を明らかにすること。教育委員会に限らない第3者の相談窓口を設置すること。 

9.学校図書館は豊かな学力を育む上で、欠かせないものである。学校図書館の図書専任職員全校配置(司書教諭ではなく)を府内の小中高で実施し、子ども達の読書活動を保障すること。府立高校において、図書専任職員のいなくなった学校に専任職員を復活させること。実習教員の国基準への引き下げ、退職不補充を撤回すること。

 10.①学校を格差付けする府統一テストの実施を行わないこと。テスト結果を府立学校入試判定の資料としないこと。

②高校での業者模試(ベネッセのスタディーサポート)を進路指導計画に組み入れている実態調査の結果を明らかにすること。業者模試を行っている各学校に学校の進路指導計画に業者テストを組み入れないこ   とを指導すること。 

11.奨学金制度について、日本学生支援機構に対して、奨学金を返済義務のない「給付制」にするよう国に働きかけること。 

12.①子どもたちに、原発事故と放射能汚染の現実、被ばくの危険性を学ぶ学習を保障すること。被ばくの危険性を伝えず、子どもたちの真実を知ろうとする姿勢を「風評被害」を理由に抑え込む、文科省新副読本を配布、使用しないこと。

②「子ども・被災者支援法」の趣旨にのっとり、避難してきた児童・生徒に対して、避難の権利を尊重した対応を行うこと。

③原子力産業の発展を目的とする関西原子力懇談会が実施する「放射線教育サポートシステム」の学校への持ち込みを許さないこと。

④再稼働の動きが危惧される中で、高浜原発をはじめ福井の原発が事故を起こした時、子どもと教職員の健康を守る具体的な対応策を示すこと。

13.①2015年度に着手される見通しとなった金岡高校におけるアスベスト除去工事に、校舎のみならず自転車置き場及びアスベストが使用されている施設、壁も含めることを求める。7月工事が着手されるまでの間、生徒・教職員への注意喚起を早急に行うこと。

②金岡高校以外のアスベストが使用されている学校30校、新たに明らかになった自転車置き場にアスベストを使用している41校等についてアスベストの完全撤去の道筋を明らかにすること。41校の校名を明らかにし、当該校への注意喚起を徹底すること。

③2015年早々にも明らかにされるアスベストの健康への影響評価を受け、金岡高校の職員、旧職員、当時の在籍生徒に対する今後の健康管理の方針を明らかにすること。

以上

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