2025年4月10日
大阪府教育委員会 教育長:水野達朗さま
(「万博遠足」「公務災害」担当さま)
なかまユニオン・大阪府学校教職員支部
(担当 090-5900-0783)
私たち組合は、万博遠足に反対し、特にメタンガス・一酸化炭素等の有毒ガスの排出状態に対して、子どもと教職員の被災事故の防止、教職員の労働災害(公務災害)の事前防止のための、教育委員会の責任での対策を求めてきました。
しかし教育委員会としては、「参加の判断は各学校(校長)です。」と責任回避を続けてきました。その中で13日の開幕が迫った現在、以下のようなさらに危険な実態が明らかになっています。
➀ 子どもたちが通行・滞在する多くのエリアで地中に有毒ガスが滞留していますが、万博協会は「マンホールの蓋のガス抜き孔から空気中に発散されれば問題ない」とする説明のみで、有効な対策を示さないままでした。ところが4月6日のテストラン期間中の参加者の通報で消防署が出動し濃度検査の結果、メタンガスの爆発危険値で規制線が張られる事態になり、万博協会が改めて公表し、報道もされました。
GW工区におけるメタンガスの検知について | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト
② 昨年3月に爆発事故があった同エリアは、「火気厳禁」(裸火・プロパンガス使用禁止)の条件で飲食店(キッチンカー等)の出店を公募してきました。しかし、既に「プロパンガス使用可」に変更していたことが、最近の市民団体の質問書への万博協会の回答書で明らかになりました。万博協会は、主催者責任としての安全対策と危機管理を既に放棄しています。
https://vosakaf.net/archives/3548 (後半の添付資料の中ほどの、協会の「回答」部分[赤色で下線])
➂ 昨年3月の爆発事故を受けて万博協会は、会場各エリアのガス抜き菅の各有毒ガスの測定値を、ホームページの奥の方に掲載してきました。しかし今回公表の「1月~3月分」では、一酸化炭素については、専門家の意見も聞いて公表不要と判断したとして除きました。一酸化炭素は致死量の検査値が続いていたので、その「専門家」が誰でどんな専門的な意見なのかすら全くノーコメントなままでの測定結果の発表中止は、主催者としての責任放棄です。
万博会場内等のガス濃度測定結果(2025年1~3月度(注))の公表について | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト
④さらに今回の事態で明らかになったのは、万博協会が昨年3月の爆発事故に対して、安全対策をし、この6日朝のここでの測定値も「0」だったとしていることです。つまり「対策」をしていても、朝には測定値「0」だとしても、午後には爆発危険地になっていることを示しているのです。そして6日15時に爆発危険濃度のメタンを検知した寺本議員が、スタッフに伝えても即時の対応を示せず、会場内の「防災センター」へ行っても、警備員に許可証が無いと入場できないと制止されたため、16時頃に大阪市消防局指令センターに電話連絡したということです。これでは生徒引率の教員が何らかの危険性を訴えても、即時の対応をしてくれないと思わざるを得ないということです。
以上を踏まえて組合は、学校行事としての万博遠足を進める教育委員会が至急に以下の判断を
行い、子どもと教職員の有毒ガス被災事故を未然に防止し、教職員の労働災害(公務災害)を事
前防止するための努力をすることを要請します。
〇 要請 上記の➀②③④の情報内容を教育委員会自身で至急に確認のうえ、教育委員会としての見解をお示しください。また上記の事実について、全ての学校園(教職員全員)に「万博遠足に係わる情報」として提供して周知し、注意喚起してください。
(この周知徹底は教育行政としての最低限の責務だと、組合は考えています。)
以上です。
メタンガス爆発等にかかわる緊急要請書-01-800x1132.jpg)
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