2021年8月30日
大阪府教育委員会
教育長 橋本 正司 様
なかまユニオン大阪府学校教職員支部
支部長 山田 光一
9月2日予定の中3チャレンジテスト中止要求
なかまユニオン大阪府・大阪市学校教職員支部は、これまでも中学生や現場教員に多大な不安や混乱と負担を招き、また、教員の評価権も侵害し、不合理な格差づけを強いるチャレンジテストの廃止を要求してきました。
しかし貴員委員会は昨年度からのコロナ感染拡大の中でも、不安とストレスにさらされている生徒と教職員の現状を思い図ることなく、チャレンジテストを継続するとともに、さらに「すくすくウオッチ」なる新テストまで、府下の全小学校で実施しています。
当組合は教育現場に無用な負担と混乱をもたらしているチャレンジテストと差別や人権侵害を起こしかねない「府内統一ルール」を廃止し、他府県同様の各校の評価基準による絶対評定・評価をすることを引き続き要求するものです。
とりわけ現在の第5波の感染拡大が大阪においても進行し、多くの学校で感染者の発生・休校と言う事態が起こっています。こうした感染者や濃厚接触者に加えて、密な教室での感染を心配して登校していない生徒も含めると、クラスによっては1/3が欠席という学校もあります。
こうした状況の中で、9月2日のチャレンジテストが強行されれば、欠席すると自らの進路に不利益になるという圧力のもとで、無理して受験するという事態も起こりかねません。さらに濃厚接触者の生徒でも別室受験をさせるという方針を出しているという教育委員会もあると聞いています(文科省の感染者・濃厚接触の生徒は出席停止とのガイドラインにも違反)。生徒の命と健康を第1に考えるべき教育委員会としてどう考えられるのか。
文部科学省はチャレンジテストの利用について「保護者・地域に十分説明を行っていただいて実施」との回答をしています。しかし昨年6月17日の『中3チャレンジテスト』はコロナ禍を理由として中止されましたが、その時よりも感染状況が比較にならないくらい深刻となり、学校休業が増加しているにもかかわらずなぜ実施するのかについて一切説明されていません。当日欠席の場合や学校休業の場合にはどういう扱いになるのか等の生徒・保護者の不安や疑問にも答えていません。
貴委員会がこうしたことを無視して強行することは、教職員・保護者・生徒ができるだけ感染防止に努力を払って教育活動を何とか維持しようと努力していることに対して冷水を浴びせる非教育的行為というしかありません。
貴委員会がこれらの不安・疑問に真摯に応え、少なくとも9月2日のチャレンジテストについては中止されることを要求します。