人事評価による1回の昇給減額や停止が将来にわたって影響し、退職金の額にまで大きな影響を及ぼすことが問題とされ、大阪市の行政職員については、2024年4月1日から「評価区分に応じた昇給号給数の適用を原則1年間とし、昇給反映から1年後の昇給日(翌昇給日)において、前年度の昇給号給数と標準となる号給数(4号給)との差を調整」する制度改善がされています。しかし、大阪市の教職員については放置されたままです。こんな差別は許せません。早急に是正が必要です。組合は、11月20日、大阪市会に、この問題にかかわる2つの陳情書(是正を求める陳情書と行政職員の是正実施日にさかのぼって遡及させることを求める陳情書)を提出しました。当然の要求です。是正を求める声を広げ、必ず実現させましょう。
陳情書① 「職員給与条例」改正(2022年3月29日可決成立)の内容の、人事評価結果の給与反映を1年後に回復調整する措置を、教育委員会の教育職員にも即時実施することを求める 陳情書
大阪市会 議長 様
[ 陳情趣旨 ]
大阪市の行政職員の人事評価結果の給与反映に関して、2024年4月1日から以下の運用が改正実施されています。
「相対評価区分に応じた昇給号給数の適用を原則1年間とし、昇給反映から1年後の昇給日(翌昇給日)において、前年度の昇給号給数と標準となる号給数(4号給)との差を調整します。」 (2022年4月 市・総務局 「職員の皆様へ」、「2、給与反映 (1)」)
改正理由については以下の記載があります。
「人事考課制度及び人事評価結果の給与反映については、これまでの職員アンケートの結果、人事委員会からの意見等を踏まえ、人事評価結果をより明確に単年度の給与に反映させ、生涯賃金への影響を抑制することとし、人事評価制度の目的である職員の資質、能力及び執務意欲の向上をより一層図るため、次のとおり改正を行います。」 (上記「職員の皆様へ」、前文)
一方で教育職員については、2022年4月の行政職員の運用改正以降も現在まで、この「生
涯賃金への影響を抑制する」ために「1年後の昇給日において、差を調整」する回復措置への運
用改正は、教育委員会で全く検討すらされていません。
行政職員と教育職員は人事評価制度と給与制度自体は異なりますが、それを実施している法的根拠は共通の大阪市の「職員基本条例」と「職員給与条例」です。また別の制度である人事評価制度も、教育職員についても上位評価の第1・第2区分は行政職員と同じ割合の相対評価制度であり、また逆に下位評価の第4・第5区分についても、人数割合で行政職員とほぼ同じ比率になっているのが現状です。2022年3月29日の大阪市会では上記の内容の条例改正案が理事者から提案され、反対意見はなく、全会派・全会一致で可決されています。「生涯賃金への影響」という公務員給与・勤務労働条件の柱に関して、教育職員への差別的運用が長期間放置されている現状は、直ちに解消されるべきです。
改正された現行の「職員給与条例」は、昇給について第5条第5項では「教育職員」を含めて規定し「・・・次項[注:第6項]及び第7項で定めるところによる調整を行い、決定するものとする。」としながら、第6項の具体的な回復調整内容の規定では「教育職員」は書かれていません。その理由は、「職員基本条例」の方の第18条で「・・・相対評価・・・により、人事評価を行う。」とあるのを、同第3条で「・・・「教職員」・・・については、第18条の規定は適用しない。」と適用除外規定があるからだというのが教育委員会の見解のようです。
しかし、これは極めて不公正です。第18条に規定した、5段階の全てについての相対評価と
は違う教職員の制度についても、「生涯賃金への影響を抑制する」ための制度化は同様に実施すべきです。条例の適用除外の規定を受けて教育委員会が独自の人事評価制度とその給与反映を実施しているのだから、この回復調整制度を実施する責任も教育委員会にあります。しかも大阪市教委は、2017年度の府教委から政令市への人事権限移譲後すぐに、それまでの府教委と同様の評価制度(教職員評価育成システム)を廃止し、市の行政職員の制度を参考にした府教委時代とは全く独自の現行制度を導入してきました。
その経過にもかかわらず、1年後の回復調整の実施については、行政職員への実施以降も教育委員会が一切の検討をしないままに放置してきていることは、直ちに是正されるべきです。
[ 陳情項目 ]
現在行政職員に実施されている、人事評価結果の給与反映の「生涯賃金への影響を抑制する」ために「1年後の昇給日において、差を調整」する回復措置への運用改正を、教育委員会は教育職員にも直ちに適用すること。
2025年11月20日
陳情代表者
住所 大阪市都島区東野田町4-7-26-304
代表者名 なかまユニオン・大阪市学校教職員支部 支部長 笠松 正俊
陳情書② 行政職員に実施されている、人事評価結果の給与反映の1年後の回復調整措置を、教育委員会の教育職員にも、行政職員と同時期に遡及して実施することを求める 陳情書
大阪市会 議長 様
[ 陳情趣旨 ]
同じ「陳情代表者」による別の「陳情書」の「陳情趣旨」の末尾に書いた通り、「1年後の回復調整の実施については、行政職員への実施以降も教育委員会が一切の検討をしないままに放置してきていることは、直ちに是正されるべきです。」
教育委員会が行政責任で改正を検討することなく放置してきたために起きている、教育職員の行政職員との差別的な不利益については、遡及して是正されるべきです。
[ 陳情項目 ]
現在行政職員に実施されている、人事評価結果の給与反映の1年後の回復調整措置を、教育委
員会の教育職員にも直ちに適用し、行政職員への実施と同時期に遡及して実施することで、特に
減給の生涯賃金へのマイナス影響が続いている下位評価者の不利益については是正すること。
2025年11月20日
陳情代表者
住所 大阪市都島区東野田町4-7-26-304
代表者名 なかまユニオン・大阪市学校教職員支部 支部長 笠松 正俊
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