コロナ在宅勤務不払い裁判  原告・被告双方から人証申請書と陳述書を提出(12月2日) 第12回口頭弁論(12月13日)で証人・尋問日程決定

第12回口頭弁論 12月13日(火)13:15 大阪地裁808号法廷       引き続いて報告集会 大阪弁護士会館1109号室

 12月2日が人証申請書と陳述書の締切でした。こちら原告側からは、校長、市教委教務部教職員給与厚生担当課長と原告(松田)の3人の証人を申請し、原告の陳述書を提出しました。相手被告は、校長、副校長、教頭の3人の証人を申請し、3人の陳述書を提出しました。

 原告陳述書の項目は以下です。

第2 当時の情勢について
1 スイスの状況
2 国内の状況 
(1)政府の動向 
(2)国内での感染者に対する報道の加熱 
(3)東京都教育委員会での対応」
第3 校長や教頭とのやり取り
1 勤務したにもかかわらず、被告が欠勤扱いにした経緯
(1)帰国後、3月18日に教頭に勤怠の相談をしたこと
(2) 本件中学校の学校長が承認研修として処理する旨一旦決定したこと
(3) 市教委の「指導」により承認研修扱いが撤回されたこと
第4 在宅勤務の実施
1 私が在宅勤務したこと
2 成果物の内容について
3 出勤が必要な状況ではなかったこと
第5 出勤命令の違法性
1 他の教職員、児童生徒、公共交通機関の利用者等に対し新型コロナウィルスに対する感染の危険性にさらすこと
2 市教委や大阪市は、在宅勤務や職務専念義務の免除等により、学校へ出勤させない措置を認めるべきであった
3 パワーハラスメントとして違法
4 出勤命令が業務上の必要かつ適正な範囲を超えて行われたこと
第6 おわりに

「おわりに」には、原告の気持ちが書かれています。ぜひ、お読みください。

被告陳述書の趣旨は以下です。

校長陳述書
自宅での承認研修と扱おうと思った経過(原告が出勤しないと言っていたから不利益にならないように)とそれをやめて出勤を要請した経過(承認研修の要件を満たしていなかったため)。原告が「欠勤でもかまわない」と言っていたこと。原告が出勤してやるべき仕事が多々あったこと(新任研修の結果をまとめて報告する業務、不登校生への対応を行ってその情報をクラス編成等に反映させる業務、その他新型コロナウイルス感染症対策のための一斉休校という未曽有の状況下での業務量増加に伴う様々な業務)。

副校長陳述書
3月18日の段階から原告は3月31日まで出勤しないと言っていたこと。3月19日の午前中に原告から電話を受けたことはないこと。副校長が原告に電話することになった経過と内容。3月24日に原告に電話した経過と内容、原告が「組合とのやり取りがあるので今は返事できない。欠勤でもかなわない。」と言ったこと。

教頭陳述書
3月18日に原告から電話がかかってきたときのやり取りの内容。3月22日に原告が学校に資料を取りに来た経過(初任者研修報告書作成のため)。研修報告については話をしなかったこと。

 これらの被告陳述書の内容については、被告第1準備書面、第2準備書面での主張に沿って書かれたもので、原告は、原告第2準備書面、第4準備書面できちんと反論しています。証人尋問の中では、具体的な事実についての尋問を通じて、原告主張の正当性がさらに明らかにできるものと思っています

 被告陳述書を見ても、教育委員会・大阪市の対応がどうであったのか明らかになりません。証人採用の判断のポイントは、市教委教務部教職員給与厚生担当課長(当時)を採用するかどうかです。この裁判が問うている内容からすると、この市教委教務部教職員給与厚生担当課長の尋問は絶対に必要なものです。裁判所の判断に注目ください。

おわりに(原告陳述書から)

 私は、校長が自宅での承認研修を撤回し、出勤を命じた後も在宅勤務を続けたことを後悔していません。教員、公務員として間違った出勤命令に応じれば、教員として私がこれまで大切にしてきたことを捨て去ることを意味したからです。文書改ざんに手を染めたことによって赤木俊夫さんが苦しんだように、程度の差こそあれ、私も、出勤命令に従えば大きな心の傷になったと思っています。
 新型コロナ感染症拡大第1波の当時、大阪市が新型コロナ対策本部まで設置しながら、なぜ、大阪市・大阪市教委が、私の勤怠について出勤以外の判断をしなかったのか、今もわかりません。2020年3月18日の段階で、私は教頭にPCR検査を希望していることを伝え、3月25日の段階で給与・厚生担当係長が組合支部長にそのことを確認しているのに、結局PCR検査はされませんでした。陰性が確認されれば当然出勤していました。
 私は、2020年4月10日、新型コロナウイルス感染症対策本部の事務局である危機管理室を訪れ、本部長松井一郎市長宛に、私の自宅勤務を欠勤とした勤怠の扱いを見直すことを求める「お願い」を提出しました。しかし、その文書は、危機管理室が受け取っただけで捨て置かれ、検討されることはありませんでした。
 法律的には、承認研修を認めるか、出勤を命じるかは、校長権限とされているため、裁判では校長の判断を問題にしていますが、教育長、さらに言えば、市長の判断・指示に従って校長が動いているのが大阪市教育行政の実態ではないかと思います。市長が、私の勤怠問題をまったく知らなかったとは到底思えません。10万人当たりのコロナ関連死者数で大阪市がトップであることも、大阪市行政、教育行政の在り方に大きく関係しているのではないかと思っています。
 裁判官には、私の訴えを受け止めていただき、大阪市行政、教育行政の是正につながる判決をぜひともお願いしたいと思っています。よろしくお願いいたします。

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