最高裁第一小法廷です 事件記録符号は令和6年(行ツ)第129号・令和6年(行ヒ)第158号 上告受理申立理由書の目次・理由要旨版を提出しました
最高裁から5月9日付の記録到達通知書が届きました。
第一小法廷の扱いとなること、事件記録符号が令和6年(行ツ)第129号(上告事件)、令和6年(行ヒ)第158号(上告受理事件)であることが分かりました。記録到達通知書に『「理由要旨」及び「目次」の提出について(お願い)』が同封されていた、上告受理申立理由書の目次と理由要旨の提出が求められたので、5月14日付で、提出しました。この後、提出した上告受理申立理由書目次・理由要旨版を掲載します。最高裁が、高裁審理の不備を認め、差し戻しの判断をしてくれるよう期待しています。
【上告受理申立理由書の目次・理由要旨版】
令和6年(行ノ)第7号 行政上告受理申立て事件
(原審:大阪高等裁判所令和5年(行コ)第11号)
申立人(原審被控訴人) 松 田 幹 雄
相手方(原審控訴人) 大 阪 市
上告受理申立理由書(目次・理由要旨版)
2024年3月14日
最高裁判所 御中
上告受理申立人代理人
弁護士 藤 原 航
弁護士 櫻 井 聡
(目次)
第1 はじめに(2頁)
第2 給与請求の判断に係る法令の解釈に関する重要な事項(民訴法318条1項)並びに審理不尽及び釈明権不行使の違法が認められること(2頁)
1 原判決の判示(3頁)
2 大阪市職員給与条例第3条の解釈に関する重要な事項を含むものであること(3頁)
3 最高裁判所の判断と相反する判断が認められること(5頁)
4 本件成果物の作成作業に係る日数に関する審理不尽又は釈明権の不行使(6頁)
第3 承認研修の不承認に係る裁量権の濫用・逸脱の解釈に関する重要な事項(民訴法318条1項)並びに審理不尽及び釈明権不行使の違法が認められること(7頁)
1 原判決の判示(7頁)
2 最高裁判所の判例と相反する判断があること(8頁)
3 裁量権の濫用・逸脱に関する審理不尽又は釈明権の不行使(11頁)
第4 出勤命令の違法性に係る裁量権の濫用・逸脱の解釈に関する重要な事項(民訴法318条1項)並びに審理不尽及び釈明権不行使の違法が認められるこ(12頁)
1 原判決の判示(12頁)
2 最高裁判所の判例と相反する判断があること(13頁)
3 裁量権の濫用・逸脱に関する審理不尽又は釈明権の不行使(19頁)
第5 結論(21頁)
(理由の要旨)
第1 はじめに
申立人の労働時間に関する判断ならびに承認研修を承認しなかったことおよび出勤命令に関する裁量権の濫用・逸脱に関する原判決の判断は、最高裁判所の判例と相反する判断があり、法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる。加えて、審理不尽及び釈明権不行使の違法も認められる。
第2 給与請求の判断に係る法令の解釈に関する重要な事項(民訴法318条1項)並びに審理不尽及び釈明権不行使の違法が認められること
1 申立人は、場所は自宅であったが、相手方の指揮監督下のもとで勤務(「所定の勤務時間による勤務」)を行ったのであって、大阪市職員の給与に関する条例第3条に基づいて、給与請求権を有する。原判決の労働時間に関する判示は、大阪市職員給与条例第3条の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる。また原判決の当該判示は、三菱重工業長崎造船所事件・最高裁1小判決平成12年3月9日(労働判例778号11頁)と相反する判断である。
2 本件成果物の作成作業が実働3日分を超えるものと認めるに足りる証拠はない旨の原判決の判断は、一審および原審では全く議論されていない。当該論点に関して全く主張立証の機会を与えなかったことは、著しく不公正なものであって、原判決には審理不尽又は釈明権の不行使の違法がある。
第3 承認研修の不承認に係る裁量権の濫用・逸脱の解釈に関する重要な事項(民訴法318条1項)並びに審理不尽及び釈明権不行使の違法が認められること
1 承認研修の不承認に係る原判決の判示は、承認研修における「研修」の意義について、考慮された事実に対する評価が明白に合理性を欠いている。加えて、新型コロナに関する社会情勢等といった考慮すべき事項を考慮していない。その結果、社会観念上著しく妥当を欠く処分をしたものといえる。
2 原判決で、本件承認研修を承認しないとする市教委の見解を是認するのであれば、原審であらためて争点化させ、市教委の担当者の証人尋問を実施する等して、申立人に攻撃防御の機会を尽くさせるべきであった。当該論点に関して全く主張立証の機会を与えなかったことは、著しく不公正なものであって、審理不尽又は釈明権の不行使の違法がある。
第4 出勤命令の違法性に係る裁量権の濫用・逸脱の解釈に関する重要な事項(民訴法318条1項)並びに審理不尽及び釈明権不行使の違法が認められること
1 裁量権の濫用・逸脱に関するエホバの証人退学処分等取消訴訟事件・最高裁1小判決平成8年3月8日(民集50巻3号469頁)の判断を踏まえると、原判決の上記判示は、出勤勤務の「原則」という理解が考慮された事実に対する評価が明白に合理性を欠いている。加えて、新型コロナによる社会情勢等や業務上出勤する必要性がなかったこと等といった考慮すべき事項を考慮していない。その結果、社会観念上著しく妥当を欠く処分をしたものといえる。
2 また文部科学省の通知(甲3)の対象者に該当しないとの原判決の判断、3月21日よりも前の欧州からの帰国者の動向に関する原判決の判断は、申立人に主張立証の機会が与えられていないものであり、仮にこのような認定をするのであれば、原審においてあらためて争点化させ、訴訟当事者に釈明を求める等して、申立人に攻撃防御の機会を尽くさせるべきであった。これらの論点に関して全く主張立証の機会を与えなかったことは、著しく不公正なものであり、審理不尽又は釈明権の不行使の違法がある。
第5 結論
以上より、上告が受理された上で原判決は破棄され、申立人の請求は認容されるべきである。
以上
※記録到着通知書(2024年5月9日付)
https://ddemocracyforteachers.wordpress.com/wp-content/uploads/2024/05/tsuchisho20240509.pdf
※上告受理申立理由書(目次・理由要旨版)
riyusho20240514.pdf (wordpress.com)
※上告理由書(2024.3.22提出)
jokokuriyusho20240322.pdf (wordpress.com)
※上告受理申立理由書(2024.3.22提出)
jokokujurimoushitateriyusho.pdf (wordpress.com)