なかまユニオン・大阪市学校教職員支部は、2月2日、支部長名で大阪市会に陳情書を提出しました。
2025年11月20日提出陳情書
https://www.nakama-kyoiku.com/archives/2141
の教育こども委員会での12月陳情審査を踏まえて、新たに提出したものです。
以下、紹介します。
教職員人事評価制度の苦情審査会の、現行の運用の抜本的改善を求める陳情書
大阪市会 議長 様
[ 陳情趣旨 ]
2024年度末の人事評価で、減給の給与反映がされる下位評価(第4区分)を受けた大阪市立校の一教員が、校長(評価者)がその大きな根拠にしていることが事実無根だと苦情申し立てしましたが、教育委員会の苦情審査会は「審査結果通知書」(2025年10月9日付)で、「評価結果に影響を及ぼす事実誤認や評価ルールの逸脱は認められないことから、」評価結果は妥当である、と断言し却下しました。この審査経過について教育委員会は、被評価者当該等へのメール文書で、以下のことを公式に説明しています。(2026年1月14日付)
「人事評価結果に対する苦情審査においては、下位評価の根拠とされた事実経過が違うという苦情申立者の主張について、主として校長(評価者)とのメールのやり取りを通じて聞き取りを行い、その結果、評価結果は妥当であると判断した。」
「その際、下位評価の理由とされている事実経過について、当事者双方の主張に食い違いがあったが、評価者以外の同僚教員の証言や、客観的状況証拠等の調査は行っていない。」
校長が一番理由にしたのは、体育主任としてのプールの水質管理責任に問題があったということです。しかしそれらの主張は全てほとんどプールを見に来ていない教頭からの伝聞情報であり、プールの汚れが何度もあったという内容自体もそんな事実は一切なかったことを、被評価者はプール日誌記録(校長と教頭自身が責任者として押印している公文書)等の1次資料で訴えてきました。体育主任が徹底しないからある学年の教員団が汚染させたとされたその同僚教員たちも、そんな事実自体が全くなかったと否定して、証言しています。
人事評価制度運用の大前提は、勤務内容の事実(真実)を踏まえることです。しかし双方の事実認識に食い違いがあっても、「主として校長」と加えて教頭(一次評価者)という評価者側だけに主張の再確認を行っただけで、教育委員会独自の事実確認のための調査はしなかったという現状は、「人事評価制度運用の手引き」が「はじめに」で掲げている「勤務実績や能力について公正かつ客観的に評価し、」という目的を全く担保できていないものです。
上記のメールでの公式説明(1月14日付)で教育委員会は、今回の件に限らず苦情審査会制度全体の運用方針自体についても、以下のように説明しています。
「苦情審査会は、申出のあった事項に対して、適正に評価なされたのか、適正な手続きが行われたのかについて審査を行うものである。審査にあたっては、評価者に対して評価理由等の事実確認(評価者から被評価者が具体的にどのような行動を行い、それをどう判断したかを聞き取る)を行い、評価エラーの有無を確認し評価内容の妥当性を判断している。」
評価者の主張以外の、1次資料や第三者証言等の調査は一切行わない運用なので、今回のような事実に基づかない、虚偽の誤認による不公正な下位評価は、他の学校でも蔓延していることが危惧されます。
今回の件の不公正な評価経過では、上記のこと以外にも、
*当年度1年間の人事評価制度なのに、校長は前年度以前のことまで持ち出して下位評価の理由に加え(なお、その内容も事実とは違う)、教育委員会作成の「苦情審査会資料」に記載されて列記されている。
*下位評価結果にしたにもかかわらず、後半期での改善を促すべき「中間面談」は行われず、年度末の「期末面談」でもその指摘や示唆や指導は一切なく、評価結果を見て驚いた被評価者本人から理由を聞きに行くまで校長からの説明がなかった。
*校長も教育委員会の担当部局(教務部・教職員資質向上担当)も、下位評価の給与反映(昇給遅延による生涯賃金の大幅減額)の金額規模を理解していず、校長は被評価者の質問に対して「そんなに急に下がるわけないやろ。」と答えていた。
等、「人事評価制度運用の手引き」の規定を逸脱する多くの問題があります。しかしこれについても「審査結果通知書」(2025年10月9日付)は、上記のように「評価結果に影響を及ぼす事実誤認や評価ルールの逸脱は認められないことから、」と見逃し、評価結果は妥当であるとしています。
教職員人事評価と苦情審査会制度全体の運用の現状自体に問題がある以上、今回露呈している問題は多くの学校で起きていることの氷山の一角だと考えられます。
不公正な下位評価とその放置は生涯賃金の多額の減額になり、それがさらに教職員の労働意欲の障害になり、大阪市からの教員離職につながる大きな原因になっていると考えられます。苦情審査会制度の抜本的な改善が急務です。
[ 陳情項目 ]
生涯賃金に及ぶ減額の給与反映がされている教職員人事評価制度の下位評価に関して、評価者(校長)がその理由とした事実自体の存否(真偽)について被評価者(教職員)が苦情申し立てした時に、教育委員会内の苦情審査会が1次資料や第三者証言の確認調査は一切せず、評価者(校長)の主張を再確認するだけの制度運用になっている現状は、評価制度の公正性を担保できていない。その場合は評価者の主張以外の客観的資料で事実を調査することを始め、「苦情審査会」制度の現行の運用の数多くの問題点を、教育長の責任で抜本的に改革、改善すること。
2026年2月2日
陳情代表者
住所 大阪市都島区東野田町4-7-26-304
代表者名 なかまユニオン・大阪市学校教職員支部 支部長 笠松 正俊
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