2019.04.19
なかまユニオン学校教職員支部
2004年に大阪府教育委員会が教職員評価育成システムを本格実施、2006年から教員に対する評価結果を給与反映することを強行したことを受け、なかまユニオンは、2006年5月、7月、9月にCEARTへの情報提供を行いました。この訴えは2006年11月のCEART第9回会議で取り上げられ、2008年4月にはCEART始まって以来の調査団が日本に派遣されました。
その後、日本政府、大阪府教育委員会に勧告に従っての改善を訴えましたが、
ILO98号条約(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約・日本は1953年10月20日に批准)は公務員に適用されておらず、組合が要求する待遇改善の要求は、「管理運営事項で交渉事項ではない」と主張し、協議交渉に応じないまま今日にいたっています。
この間、なかまユニオンは2016年、2017年と新たに出てきた事象を追加しながら、CEARTへの訴えと大阪府教育委員会(現教育庁)との交渉を粘り強く継続しています。
今回第13回セッションでなかまユニオンに対し出た勧告の概要は以下の通りです。
なかまユニオンの訴えのポイントは以下の4点。
1.組合との協議および交渉に関し、CEART勧告の実行状況と大阪府教委の姿勢
文科省が「日本政府は国内法の範囲内で勧告の精神を最大限尊重する形で行政を行っている」が「教員の地位に関する勧告については、必ずしも日本の国内法則や現状に即す必要のないものも含まれる」としたことに対して、なかまユニオンは、文科省は具体的に国内法のどの条文や具体的な現実が勧告を遵守できないのか明らかにせよと要求したことをCEARTに報告した。とりわけ「評価システムは地公法55条1及び3項に基づけば交渉課題ではない」との文科省の主張は「勧告」2011年CEART 中間報告を真摯に受け止めているとは到底思えないことを訴えた。
2.大阪の「評価システム」
なかまユニオンと大阪府教委との交渉で、府教委が文科省の回答を受け止めたこと、および中間報告の和訳を受け取っていないと答えたことに対して事実の確認を府教委・文科省に求めるとともに、CEARTにも報告した。2011年CEARTの中間報告を受けて、「評価システム」について組合との協議を行うように文科省、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会に求めている件でCEARTに追加報告した。
3.教科書採択における教員の役割
大阪府の教科書選択において教育の専門家であるべきそして、教材の主要な選択者であるべき教員を、校長、保護者と同列に扱っている点および教科書選択に政治的意図が入る可能性について、大阪府の教科書採択の過程が勧告の趣旨を無視していることを訴えた。
4.「君が代」不起立した教員への懲戒処分を含む措置について
卒業式等で起立斉唱しなかった職員に対し、「卒業式の際の『君が代』起立斉唱の職務命令に従うかを、はい、いいえで答えろ」と質問され、その後不起立処分を受けて「研修」を受けることを強要され、さらにその場で「意向確認書」の提出を求められ、拒否したら再任用を取り消されたことは明らかに勧告違反であることを訴えた。
それに対するCEARTの見解勧告は以下の通り。
129.合同委員会は、社会対話を育成し、教師の組織を巻き込むために、将来の立法または政策改革の機会をつかむよう政府に奨励する。
134.現在の状況が勧告のパラグラフ61と62に示されている原則を満たしているとは思われない。教員の役割、資格および専門知識は、準備的な研究段階を超えて、正式かつ効果的に認識されるべきである。これは、選考過程および決定過程における実質的な参加という形をとるべきである。教育当局の役割は、この枠組みの中で適切な支援を提供することである。
※パラグラフ61 : 教育職は専門職としての職務の遂行にあたって学問上の自由を享受すべきである。教員は生徒に最も適した教材および方法を判断するための格別の資格を認められたものであるから、承認された計画の枠内で、教育当局の援助を受けて教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の採用などについて不可欠な役割を与えられるべきである。
※パラグラフ62 : 教員と教員団体は、新しい課程、新しい教科書、新しい教具の開発に参加しなければならない。
等と見解を示し、以下のように勧告を行った。
(a)勧告の原則が適用され促進されることを確実にするために地方自治体と適切なガイダンスを共有すること。
(b)教員団体との協議と交渉に関する持続する課題について合同委員会による以前の勧告をさらに検討すること。
(C)合同委員会の勧告は社会的対話について有益な基礎となり得るので、教員及び教員の組織と報告の日本語訳を、提供できる時期に共有することを含め、合同委員会の勧告に関する情報共有の重要性を検討すること。
(d)教科書の選択に関する方針と実務を見直して、教員が決定過程に主要な役割を担うようにし、そのような過程が教員団体と合意され、公平性と透明性を確保すること。
(e)式典に関する教員の義務について合意し、国旗掲揚と国歌の斉唱に参加したくない教員への配慮ができるように、愛国的な式典に関する規則について教員団体と対話する場を設定すること。
(f)不服従という無抵抗で混乱を招かない行為に対する懲罰を回避する目的で、懲戒処分のメカニズムについて教員組合との協議すること。
(g)同僚の教員を懲戒審査機関に参加させることを検討すること。
(h)現職教員研修に関する方針と実践を見直し、変更し、その目的が教員の専門的能力の向上にとどまり、懲戒や懲罰の手段として使用されていないことを保証すること。
(i)上記の勧告に対し合同委員会に情報を提供する努力を継続すること。
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なかまユニオンはCEARTへ情報提供を今後も継続していく予定である
(c)
2010年1月28日に実施された都道府県等教育委員会管理指導事務主管課長会議で配布されたCEART報告及び和訳とその取扱いに関する文書の開示を求めたが大阪府教委はすでに廃棄処分したとの回答。
(d)
教科書の採択および事務処理についての通知を文科省は配信しているが、その中には勧告のパラグラフ61・62に関連することは一切省かれており、現場教員の教科書採択に関する意見が教育委員会で全く覆されていても、その「理由」について一切現場教員には知らされない不透明性が存在。
(e)~(i)
2018年10月25日の大阪市人事委員会の場で、当局(大阪市教委)の担当者が次の点を証言している。
◆懲戒を決定する場(人事監察委員会分限懲戒部会)の議事録は取っていない。
◆当該教員が提出した上申書の内容の検討は一切行っていない。
これらパラグラフ50に反していることを当局の担当者が公的な場で明確に証言した
ことは重大であり、CEARTに通告する予定である。
※パラグラフ50; すべての教員は、一切の懲戒手続の各段階で公平な保護を受けなければならない。とくに、
(a) 懲戒の提起およびその理由を文書により通知される権利
(b) 事案の根拠を十分に入手する権利
(c) 教員が弁護準備に十分な時間を与えられ、自らを弁護し、または自己の選択する代理人によって弁護を受ける権利
(d) 決定およびその理由を書面により通知される権利
(e) 明確に指定された権限ある当局または機関に不服を申し立てる権利
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追記
●2006年時点でなかまユニオンが訴えたことは以下の3点です。
①評価が客観性に欠ける。
②評価への不服申し立てが保障されておらず、透明性に欠ける。
③評価の仕方、給与への連動が教員団体との話し合いがないまま強行されている。
●この件については2008年9月に中間報告がCEARTより出され、以下の勧告が出ています。
43.共同専門家委員会は、ILO理事会及びユネスコ執行委員会に以下のことを勧告する。
(1) 上記調査結果と勧告に注目すること
(2) 日本政府に、及び日本政府を通じて地方教育委員会に対して、文科省が教員評価に対して出したガイドライン、および、地方教育委員会が行っている措置のそれぞれに対して、教員評価制度の手続き保障の改善を行うようにという共同専門家委員会の勧告を伝えること
(3) 日本政府とすべての地方教育委員会に対して、1966 年勧告の関連項目、及び日本その他の国のよい実施例に沿って、業績評価関連の基準と手続きを含む教員評価制度のさらなる改善を実施すること
(4) 日本政府とすべての地方教育委員会に対して、あらゆる全国的及び地方の教員団体の代表との協議と交渉の件について、1966 年勧告の規定をより一層徹底して適用できるよう関連規定及び実施要項を見直し、必要ならば改定するように要請すること
(5) 教育委員会に、業績が不十分とみなされた教員の決定に対する不服申し立ての手続きは、1966 年勧告の原則と矛盾しないものであることを保証するよう要請すること
(6) 日本政府とすべての教員団体の代表に対し、上記項目に関する進展及び困難点を共同専門委員会に引き続き通知し、同様に困難解決に役立つと思われる事柄について共同専門家委員会とその事務局の技術上及び政策上の助言をなお一層考慮するよう要請すること。
以上
なかまユニオンからの申し立て(に関して)
[なかまユニオン 仮訳]
背景
111.下記の申し立ては、全日本教員職員連盟(ZENKYO)、仲間ユニオン教職員組合および日本政府から2003年以降に受けた通知のフォローアップとして提示されている。 この申し立ての詳細は、第8回、第9回、第10回の合同会議(2003年、2006年、2009年)および2005年、2008年、2011年の中間報告書で合同委員会で審議された。 その後、合同委員会は両当事者から更なる最新情報を求めた。どちらの当事者からもさらなる情報は提供されていないため、合同委員会は2015年の第12回会合で本件を終結させることを決定した。3
112. 2016年3月に提出された新たな通知で、なかまユニオンは合同委員会に情報を提供し、日本当局による1966年勧告に示された原則に沿わない慣行の継続、および同委員会勧告の発効に対する意欲の欠如を主張した。 日本政府は2017年8月にこの申し立てに回答した。 2017年10月に組合から、2018年4月に政府から最終的なコメントが寄せられた。
申し立ての内容
113.合同委員会は、4つの核心問題に関連した申し立てに注目する。
(a)組合との協議および交渉に関して、合同委員会の勧告の実行と大阪の地方自治体の立場。
(b)大阪府教育委員会地区の評価制度
(c)教科書の選択において教師に認められた役割。
(d)起立斉唱の指示に従うことを拒否した教師にその後取られた懲戒処分を含む措置(旗と国歌)。
114.組合によると、大阪の日本の当局は、教員団体との協議および交渉、業績評価、教育的決定への参加及び懲戒処分に関して、1966年ILO-ユネスコ教員の地位に関する勧告の多くの規定を適用していない。
組合との協議および交渉に関して、合同委員会の勧告の実行と大阪の地方自治体の立場。
15.本質において、組合は大阪の当局が特定の件について組合との交渉もしくは協議を行う必要性について、2009年と2011年の報告からの合同委員会の勧告を適用することを拒否したことを非難している。 組合はさらに、大阪の地方自治体が合同委員会に関する報告書の翻訳を含むすべての文書を開示していないと主張している。大阪府教育委員会はこれまでの報告で合同委員会が行ったいくつかの勧告を実行しないという意図を表明した。
3教育人材に関する勧告の適用に関する合同ILO – ユネスコ専門家委員会、第12回セッションの最終報告、2015年、パラグラフ。 122。
116.この主張に応えて、日本国政府は、地方公務員法に沿って、一連の管理運営事項は交渉の対象にはなっていないと指摘した。 さらに、関連するガイドライン、および文書管理に関する規制には従ったと述べている。
117.両当事者間のもう1つの論点は、合同委員会の日本語報告書の写しが配布されていたとされる地方自治体と教育省の間で開催されたとされる会議に関するものである。 文部科学省は、この情報が正しくないこと、そして会議が開催されなかったとして反論している。 合同委員会の勧告について労働組合と協議の場の設定、および合同委員会の報告書の日本語訳が共有されたかどうかについての政府からの情報提供はなかった。
大阪府教育委員会地区における評価制度
118.組合によると、大阪府教育委員会に評価に関する調査の準備を依頼するよう要請が出されたが、交渉と協議の範囲を超えていたという理由で却下された。 同様に、評価パネルへの同僚教師の関与および最近の業績連動型給与システムの導入に関して、社会的対話は不可能であると報告された。 組合は、この状況は1966年勧告で定められた原則から逸脱していると主張している。
119.日本国政府は地方教育行政法に最近もたらされた改正を引用し、法により地方政府が教師を含むすべての地方公務員の評価の実施を求めるとしている。政府は、地方自治体が法律および関連規制を遵守し、評価手続きにおける公正な取り扱いを確保することを支持する。
教科書の選択において教師に認められた役割
120. なかまユニオンは、教科書の選択における教師の役割が正しく認識されていないと主張している。教師の見解は参考であり、学校の校長や保護者の見解と同じ価値と見なされ、教師としての専門知識は無視される。教科書の選択に関する最終的な決定は教育委員会によって行われ、政治的配慮が作用しているとされている。そのため組合は、1966年の勧告によって定められた原則は遵守されていないと考えている。組合はまた、この問題が協議や交渉に開かれていないことを遺憾と思っている。
121.これに対し、日本政府は、教員は、教員、学校長、保護者、保護者からなる研究者グループの一員であり、教科書選定に関する研究グループの決定は教育委員会に報告されるため、教員の意見が考慮されると指摘している。政府は、この状況の中で教師は「比較的重要な役割」を演じることができると主張している。 この問題に関する社会的対話の欠如に関して、政府は、管理運営事項が懸念される場合、国内法は交渉を認めていないと指摘している。
起立斉唱の指示に従うことを拒否した教師に取られる懲戒処分を含む措置
122.なかまユニオンは、国歌を起立斉唱しないと決めた教師に対して懲戒処分が取られたと主張している。 ユニオンはまた、1966年勧告で定められた原則に違反して、懲戒処分に直面している教師に対する保護の欠如と、手続きの透明性の欠如についても報告している。 さらに、ユニオンは、通常の慣行とは反対に、そして正当な理由もなく、定年後に再任しないという決定を通じて、当該の教師に追加の制裁措置が課されていると主張している。
123.日本国政府はそれらの主張を却下し、学校の儀式の間、教師は教職員の職階制度の中で公式の指示に従わなければならないと主張する。この文脈の中で、学校長は学校の儀式が円滑に行われるように適切な措置を講じる。政府によると、懲戒処分は関連するガイドラインに従って実行される。政府はまた、定年後の再任を決定する際に地方自治体の裁量権を発動する。
調査結果
124.合同委員会は最初に、この主張において注目に値する多数の問題が以前の報告書ですでに検討されていることに留意する。これを、一連の問題、評価システム、教科書の選択において教師に与えられた役割、および学校での儀式中の起立斉唱に関して、教師の組織と社会的対話を行う必要性に適用する。
組合との協議および交渉に関して、合同委員会の勧告と大阪の地方自治体に及ぼした影響
125.この問題に関して、合同委員会は、特にいくつかの会合が開催されたかどうか、およびそのような機会に提供された情報の内容に関して、組合と政府の双方による表明に事実の不一致がいくつかあることに留意する。交換された矛盾する見解に基づいて、合同委員会は、この特定の問題に関する事実を詳細に裁定する立場にはない。
126.しかし、合同委員会は、1966年の勧告に対して「…日本の国内法および現在の状況に必ずしも適さないいくつかの事項が含まれている…」と考える当局の長年の立場に留意する。 1966年の勧告は、拘束力のない標準設定の手段ではあるが、それでもかなりの道徳的な力(効果的な誘因力)を持っている。それはILOとユネスコの法的基準の不可欠な部分を形成しており、加盟国は勧告を完全に実行するために最善を尽くすことが期待される。日本国政府は、「国内法の範囲内で、勧告の精神を最大限尊重して政府の活動を行っている」と述べたので、合同委員会は、この機会を捉えてその活動の内容を組合により良く知らせること、協力の精神で社会的対話にさらに従事することを勧告する。
127その他再発していることとして、「管理運営事項」であるとして多くの事象について交渉または協議が欠如している問題がある。その結果社会的対話が開かれていない。合同委員会は、特に2003年の報告書および2008年の中間報告書で、この問題について広範に論議し、さらに調査団を派遣し、次のように述べている。「教員の給与やその他の雇用条件に影響を与える業績評価システムの結果は明らかに交渉の対象となる可能性のある事項の枠組みの中にあるが、合同委員会は、一方で管理事項として教員組合との協議の範囲外と見なされる問題、および他方1966年勧告の下での交渉の対象となり得る雇用条件の問題に関する当事者間の継続的かつ重大な分断に留意する。
4 2011年に、合同委員会は次のように勧告していた。「政府は、省庁レベルでも都道府県委員会でも、1966年勧告の規定に従って、協議へのアプローチ、そして疑義の出ている問題は交渉に適切であるとして、教師の組織との交渉を再考すべきである。
4教員に関する勧告の適用に関する合同ILO – ユネスコ専門家委員会、中間報告、2008年、段落。 30。
5合同委員会は、そのような勧告は1966年勧告の第44項に直接関連するもので、依然として有効かつ適用可能であると考える。
大阪府教育委員会地区における評価制度
128.日本国政府と組合の両方が、地方公務員法を含む国内法の規定を引用している。 この問題に関する国内法を解釈することは合同委員会の役割ではない。 しかし、合同委員会は、政府と労働組合が多数の問題について交渉と協議を行うべきであることを明確に規定している1966年の勧告の適用を監視する責任がある。 合同委員会は、前回の報告書で「教師の評価基準、評価の手順、個々の教師に対する適正な手続きの保証、および評価または業績評価システムの運用に関する協議を誠実な協議の対象とすべきである」と述べた見解を想起する。6
129. 2011年に、「…ZENKYOとJTUは、日本政府は日本の国家公務員における労使関係を管理する原則と制度の見直しを約束したと報告した」と述べたことに対し、7合同委員会は、2016年4月の地方公務員法の最近の改正に関して政府から提供された情報に対する感謝の意を表明する。しかし、合同委員会は、この立法改革の文脈において効果的な社会対話に取り組むための努力がなされたかどうかについての情報を歓迎するつもりであった。 合同委員会は、社会的対話を育成し、教師の組織が関わることができるようにするために、将来の立法または政策改革の機会をつかむよう政府に奨励する。
130.さらに、合同委員会は、勧告の前文が「特に公務員に関する規則が適用されるかどうかに応じて、異なる国々で教員に適用される取り決めの多様性」を認識したことに留意する。同時に、勧告は次のように述べている。「教職は、専門職と認められるものとする。教職は、きびしい不断の研究により得られ、かつ、維持される専門的な知識及び技能を教員に要求する公共の役務の一形態であり、また、教員が受け持つ生徒の教育及び福祉について各個人の及び共同の責任感を要求するものである。」(パラグラフ6:文科省発表仮訳)。したがって、合同委員会は、教員は公共サービスを統治する法律や規制の対象となり得るが、そのような文章は教員としての専門職としての地位の認識をもたらすべきであるという見解である。
5、同上。 40。
6教員に関する勧告の適用に関するILO – ユネスコ合同専門家委員会、中間報告、2008年、段落。 40。
7教員に関する勧告の適用に関するILO – ユネスコ合同専門家委員会、中間報告、2011年、パラグラフ。 16。
教科書の選択において教師に与えられた役割
131.両当事者から提供された情報では、両当事者は、教員の貢献が学校の校長、保護者、保護者と並んで審議会への参加に限定されており、教科書の選択に関する決定は教育委員会によって行われるという事実に同意している。
132.勧告のパラグラフ61は次のように述べている:
「教員は、職責の遂行にあたって学問の自由を享受するものとする。教員は、生徒に最も適した教具及び教授法を判断する資格を特に有しているので、教材の選択及び使用、教科書の選択並びに教育方法の適用にあたって、承認された計画のわく内で、かつ、教育当局の援助を得て(強調を追加)、主要な役割が与えられるものとする。(文科省発表仮訳)
133.パラグラフ62はさらに「教員及び教員団体は…教科書…の開発に参加するものとする。」(文科省発表仮訳)と述べている。
134.当面の主要な問題は、教師が事実上「主要な役割」を与えられているかどうかを決定することである。合同委員会の注意を引いた要素に基づいて、現在の状況が勧告のパラグラフ61と62に示されている原則を満たしているとは思われない。教員の役割、資格および専門知識は、準備的な研究段階を超えて、正式かつ効果的に認識されるべきである。これは、選考過程および決定過程における実質的な参加という形をとるべきである。教育当局の役割は、この枠組みの中で適切な支援を提供することである。
135.その点で、合同委員会はまた、2015年に行われた日本国政府および地方自治体に対する以前の勧告(東京都学校組合の申し立て)を想起したい。
…教員や教科書の選択に教師がどのように含まれているかについての方針と実践を見直す。そのような方針と実践は、教員と教員団体の代表の両方が参加することを可能にするべきである。教材開発における多様な見解を確保するために、教員を参加させるための選択基準と実践は公平かつ透明であるべきである」(勧告(b)、合同委員会報告書のパラグラフ102)。
起立斉唱の指示に従うことを拒否した教員に追加で取られる懲戒処分を含む措置
136.合同委員会は、問われている問題の大部分がこの報告書の前半で検討したAIM89の申し立てに含まれていると考える。なかまユニオンは新たな問題を提出していないので、合同委員会は、この問題を実質的に再検討する必要性はないと考えており、AIM89事件から生じた重要な原則もこの主張に適用可能であると考える。したがって、合同委員会は、その所見と勧告を反復して述べるものとする。
勧告
137.合同委員会は、ILOの運営組織とユネスコの理事会が日本政府に以下のことを奨励するよう勧告すること。
(a)勧告の原則が適用され促進されることを確実にするために地方自治体と適切なガイダンスを共有すること。
(b)教員団体との協議と交渉に関する持続する課題について合同委員会による以前の勧告をさらに検討すること。
(c)合同委員会の勧告は社会的対話について有益な基礎となり得るので、可能であれば、報告の日本語訳の共有も含め、合同委員会の勧告に関する情報共有を教員及び教員組織と行う重要性を検討すること。
(d)教科書の選択に関する方針と実務を見直して、教員が決定過程に主要な役割を担うようにし、そのような過程が教員団体と合意され、公平性と透明性を確保するようにすること。
(e)愛国的な式典に関する教員の義務について合意し、国旗掲揚と国歌の斉唱に参加したくない教員への配慮ができるように、愛国的式典に関する規則について教員団体と対話する会を設定すること。 ;
(f)不服従という非暴力で混乱を招かない行為に対する懲罰を回避する目的で、懲戒処分のメカニズムについて教員の組織と対話すること。
(g)同僚の教員を懲戒審査機関に参加させることを検討すること。
(h)現職教員研修に関する方針と実践を見直し、変更し、その目的が教員の専門的能力の向上にとどまり、懲戒や懲罰の手段として使用されていないことを保証すること。
(i)上記の勧告に対し合同委員会に情報を提供する努力を継続すること。