国連自由権規約委員会が第7回日本審査で総括所見を採択  第9(最終)準備書面として裁判所に情報提供しました  

11月28日地裁判決に注目を!
判決言い渡し 11月28日(月)13:10 大阪地裁809号法廷
(引き続き報告集会 弁護士会館920号室)

 10月28日に裁判所に提出した原告第8準備書面で、原告に対する戒告処分が国際人権自由権規約に違反することを、これまでの主張をまとめる形で主張しました。その書面の中では、国連自由権規約委員会で10月13日、14日に行われた日本審査でのやり取りについても記載し、総括所見が採択されればその情報を裁判所に届けるとしていました。

 自由権規約員会は、10月28日、第7回日本審査についての総括所見を採択し、11月3日に公表しました。この総括所見のパラグラフ38と39は、「君が代」調教NO!松田さん処分取消裁判に直接関係する内容でした。11月7日に原告第9(最終)準備書面としてその情報を裁判所に提供しました。以下、第9(最終)準備書面の内容です。

原告第9(最終)準備書面(2022年11月7日提出)から

1 国連自由権規約委員会は、2022年11月3日に、日本国が提出した報告書に対する第7回総括所見を公表した。

2 本件に関連すると考えられる部分は、パラグラフ38と39である。以下、原文(英語)と、原告訴訟代理人による仮訳を紹介する。※以下、原文は省略。

思想・良心・宗教の自由と表現の自由

38. 委員会は、締約国における思想及び良心の自由の制限に関する報告に懸念をもって留意する。学校の式典において、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱することに従わない教員の消極的で非破壊的な行為の結果として、一部の者が最長6ヶ月の職務停止という処分を受けたことを懸念している。

さらに、委員会は、式典中に生徒に起立を強制するために力が行使されたとされることを懸念している(第18条)。

39. 締約国は、思想及び良心の自由の効果的な行使を保障し、規約第18条の下で許される狭義の制限を超えてこれを制限し得るいかなる行動も慎むべきである。締約国は、自国の法律および慣行を規約第18条に適合させるべきである。

3 御庁には、本件の判決に当たっては、特にパラグラフ39に注目して頂きたいと考えている。

原告が主張してきたように、自由権規約18条3項は、同条に定める自由に対する制限について「法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる」としており、同項を端的に表現すると、自由権規約18条の権利を制限できるのは、①公共の安全や他者の基本的な権利・自由等の保護が目的、②法律による制限、③必要不可欠、の要件を満たす必要がある。

自由権規約委員会は、日本における国旗国歌の問題を含む思想・良心・宗教の自由と表現の自由について、自由権規約18条3項を超えて制限し得るいかなる行動も慎むべきと勧告した。このことは、本件で、原告が卒業式における国歌斉唱時の不起立したことについて被告から受けた懲戒処分も慎むべきものということをも含むものである。

かねてより原告が主張しているように、自由権規約委員会は国際的に最も権威のある人権機関であると考えられ、そのような委員会が今般上記のような勧告を出したことについて、御庁としても重々認識していただきたい。

以上

※原告第8準備書面
<4D6963726F736F667420576F7264202D2032303232313032388FBC93638E8191E682578F8094F58F9196CA31303238766572939D8D872E646F6378> (wordpress.com)

※国連自由権規約委員会 第7回日本審査についての総括所見
CCPR/C/UZB/CO/R.5 (ohchr.org)

※原告第9(最終)準備書面
dai9junbishomen20221107.pdf (wordpress.com)

タイトルとURLをコピーしました