■第1審、大阪地裁(横田裁判長)不当判決 過去の判例のつまみ食い判決!■
大阪地裁(横田昌紀裁判長)は11月28日、松田さん「君が代」不起立戒告処分取消請求に対して請求棄却の不当判決を行いました。「大阪市国旗国歌条例下の初の処分取消裁判について新しい判断は?」「子どもの権利条約・国際人権自由権規約など国際法を根拠にした主張への判断は?」。判決は、これらの注目された部分への判断をすべて回避し、処分を容認したこれまでの最高裁判決等をつまみ食い的に貼り付けただけのものでした。
■思想良心の自由、子どもの権利条約、国連自由権規約に基づく主張を全く無視■
松田さんの主張:【戦前、「天皇陛下のお治めになる御代(みよ)がいつまでも続きますように」という意味で政府が臣民に歌うことを強制し、天皇制支配の重要なツールとした「君が代」の歴史を隠したまま、再び強制によって式場の全員が起立・斉唱する場面を演出し、生徒に「日の丸・君が代」と日本国家を崇高なものと感じる心情を刷り込むことは、子どもの権利条約違反であり、憲法26条の教育を受ける権利の侵害である。職務命令に従って、自らが起立・斉唱することは、生徒への人権侵害に手を染めることと認識しているので、私にとって、不起立・不斉唱は「教員としての良心」に基づく行為である】
横田判決は、この不起立の動機・理由について事実認定せず、『「日の丸」「君が代」に否定的な考えを有する原告』の一言に置き換えることで、従来の判例(「君が代」起立・斉唱は「慣例上の儀礼的所作」で、直ちに「思想・良心の自由」を制約するものではなく、大切な卒業式の秩序確保と円滑な進行を目的とする「君が代」起立・斉唱職務命令は是認されるとする判例)をコピペしたのです。しかしながら、この虚構の判例と、「我が国と郷土を愛する意識の高揚」を目的として教員に「君が代」起立・斉唱を義務づけた大阪市国旗国歌条例下の現実の間には、隠しようのない乖離(かいり)があります。
判決を前にした11月3日には、国連の自由権規約委員会第7回日本審査最終所見が公表されました。そこでは、日本の「君が代」強制(「君が代」不起立処分)は国際人権自由権規約18条に抵触する人権侵害なので改めるように勧告されています。
■大阪高裁での一発結審を許さないために多くのみなさんの傍聴支援を!■
松田さんは、控訴し、控訴審を闘います。控訴理由書では、保護されるべき思想・良心の内容を再度明確にして、国際人権自由権規約第18条を根拠に処分取り消しを迫り、子どもの権利侵害、子どもの権利条約違反については、これに手を貸せないという良心の自由の中身として主張しています。また、裁量権の逸脱濫用の主張の中にこちらの主張してきたことをすべて盛り込み、重要論点としました。国連自由権規約委員会の勧告も最大限活用しながら逆転勝訴をめざします。ご支援、よろしくお願いします。