2023年10月12日
大阪市教育委員会
教育長 多田 勝哉 様
なかまユニオン・大阪市学校教職員支部
支部長 笠松 正俊
前略。
9月29日に提案説明を受けた「心和中学校を開校することに伴う勤務労働条件に関する事項」案について、末尾の要求を提出し、回答を求めます。
〇 私たちは29日の冒頭で、以下の組合としての意見を表明しました。
「市議会への新設条例提案の過程で、『撤回要求』を出す機会がなかったが、国の『不登校特例校の新設』政策自体に反対だ。
不登校は、市教委が今説明した「いじめ・生徒間関係」と「学力不振」だけが原因ではなく、特に近年、『大阪市の管理教育、学校文化自体が苦しい!』という子どもからの訴えが増えている。登校を続けている子どもたち自体も苦しんでいる管理(と競争の)教育自体を変えないと、解決しない。」
「まして、歴史・社会経過と、生徒の生活背景の課題が違う夜間中学校と併設する大阪市の政策には、反対だ。」
〇 その後の、今回の提案内容の「教職員の勤務時間」についての、市教委の追加説明は以下でした。
*教員の勤務時間 12:30~21:00(45分休憩時間を含む)
*不登校特例校の登校時間 13:15~18:10
*夜間中学校の登校時間 17:10~20:55
〇 組合はその場でも発言しましたが、改めて文書で以下を主張します。
・同一教員の「兼務」には、以下の2点の理由で絶対に反対です。
(1)勤務時間内であっても、両方の生徒を毎日、通年で指導するのは、内容が過密労働です。(例えば小学校でも、1年と6年の授業を毎日1年間担当することは、考えられません。)
(2)生徒の実態・課題が違うのに、「教科の教員免許の範囲だ」として「兼務」させるのは、ILO・ユネスコ「教員の地位勧告」が規定する教員職の専門性を軽視しています。
・市教委は29日の場で、組合からの質問に答えて、
「夕方が、夜間中が17:10始業、不登校校が18:10終業で、職員会議等諸会議の時間がとれないので、12:30出勤で13:15始業までの45分間に会議を想定している。」(要旨)と説明しました。
このことで明らかなのは、教員の勤務時間を「12:30~21:00(45分休憩時間を含む)」としながらも、45分間の法定休憩時間を、一斉はおろか、各教員別にすら確保することが、事実上不可能なことを、市教委が制度化している違法性です。
・夜間中学校の、20:55終業で21:00退勤は無理です(他の夜間中学校の現行は21:15退勤)。実態として「(『給特法』の下での)不払いの超過勤務」になるのは明らかです。
◎[要求]
上記の理由から、以下の2点を実施し、心和中学校での教職員の勤務労働条件を確保することを要求します。
(1)不登校特例校と夜間中学校の併設という、大阪市独自の不正常な学校体制の弊害を少しでも減らすために、不登校特例校と夜間中学校を兼務しない教職員数を、新設する『心和中学校』に大阪市独自の措置で配置すること。
(2)45分間の法定休憩時間を確保でき、定時退勤時刻以降の「不払い」超過勤務にならない勤務時間制度に変更し、そのために必要な教員数を配置すること。
以上です。