2024年11月28日
大阪市教育委員会 教育長 多田 勝哉 様
子どもといっしょに教育を考える会
(連絡先)小川裕子
子どもといっしょに教育を考える会が2024年11月28日に大阪市教育委員会に提出した『「心の天気」入力強制についての質問と要請』を紹介します。今年度、「心の天気」入力強制が学習者用端末使用状況の数値目標化とともに一層ひどくなっています。例えば次のような子どもたちの声が届いています。「『雷』を入れると面倒なことになるから、入れるのは基本『くもり』。でもずっと『くもり』だと先生がどう思うかなと思って、時々『晴れ』を入れている」。子どもたちにとって重荷になっていること、教育的にプラスになることは全くなく、弊害ばかりであることは明かです。教職員が良心的に働くことを阻害している現状はすぐに改められなければなりません。『「心の天気」入力強制についての質問と要請』提出団体によると、「12月末までに大阪市教委から回答があり、1月に協議を予定。子どもの人権の観点から『心の天気』入力強制はできないこと、『心の天気』入力による学習者用端末使用は数値目標とされている学習者用端末使用実績に入れないこと確認して、強制をやめさせたい」とのことです。教職員が良心に従って働くことのできる職場づくりにとって重要な取り組みだと考えます。以下、『「心の天気」入力強制についての質問と要請』を紹介します。
2024年11月28日
大阪市教育委員会 教育長 多田 勝哉 様
子どもといっしょに教育を考える会
(連絡先)小川裕子 090-9695-1846
「心の天気」入力強制についての質問と要請
【質問と要請の趣旨】
大阪市立学校で子どもたちが入力を求められている「心の天気」ですが、子どもたちの人権を無視した運用実態になっていることを危惧しています。
子どもたちに、自分の心の状況を教員・学校に報告することを求めるこの「心の天気」入力は、当然、十分子どもの人権に配慮したものでなくてはいけません。ところが、目的についての説明もなく、入力した情報がその後どう扱われるかの説明もないまま、「入力していない児童・生徒の名前を黒板に書く」「入力していない児童・生徒は、放課後残して入力させる」などの強制の事例を聞いています。2022年に改定された生徒指導提要は「こどもの権利」にふれ、生徒指導を「児童生徒の自発的で主体的な成長や発達する過程を支える教育活動」としました。「心の天気」入力強制は、子どもの権利条約や改定生徒指導提要の趣旨を否定する宣言であると感じます。すぐに是正指導が必要なのではないでしょうか。
以下、「心の天気」にかかわって、質問と要請を行いますので、回答をお願いします。
【質問事項】
1.子どもたちが「心の天気」を入力する意義・目的は何ですか
2.子どもたちが入力した情報は、誰が見て、そのデータをその後どう扱うのですか。
3.子どもたちには、「心の天気」の入力の意味をどう伝えているのですか。
4.入力した自分の心の状況を誰が見てどうなるのか、子どもたちに説明していますか。
5.「心の天気」入力を求める際、子どもたちに意見を聞いていますか。
6.自分の心の状態を多くの教職員に見られるのは嫌だから入力したくないと申し出た子にはどう対応するのですか。
7.「心の天気」の入力を子どもたちに求めることにかかわる子どもの権利条約の条項はどこになると考えていますか。
8.大阪市立学校の中には、「心の天気」を入力していない子の名前を黒板に書く、放課後残して入力させるなど、必ず入力せよと子どもたちに強制している実態があることを把握していますか。
9.大阪市教育委員会が「授業日において、児童・生徒の8割以上が学習者用端末を活用した日数が、年間授業日の〇%以上にする」との目標を各学校の「運営の計画」に入れるよう、すべての学校に指示したと聞いていますが、「心の天気」入力についても、この目標の実践にかかわる数値に含めているのですか。
【要請事項】
「心の天気」入力強制は子どもの権利条約違反の人権侵害なので、ただちにやめるよう指導すること。
「心の天気」について聞かせてください⇒次のアンケートをもとに子どもたちと対話してみてください。