(情報)学校の万博見学についての大阪市教委との協議報告(2024年4月18日)

 「夢洲カジノを止める大阪府民の会・城東」と「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」が、趣旨賛同の市民とともに大阪市教育委員会と行った学校の万博見学についての4月18日の市民協議報告を、情報としてここに転載します(教職員なかまユニオン組合員も何人か参加しました)。

 「夢洲カジノを止める大阪府民の会・城東」と「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」は、今年2月22日、大阪市長と大阪市教育長あてに「児童・生徒を2025年大阪万博へ引率・見学する学校行事を全学校に強要しないように求める要請書」を提出し、3月15日付で「回答」を受けました。
【要請書と回答はこちら】
大阪市:平和と民主主義をともにつくる会・大阪、夢洲カジノを止める大阪府民の会・城東 (osaka.lg.jp)
 協議に向けては、4月4日付で「2024.2.22付要請書(万博学校見学の問題)への3.15付回答にかかわる4.18協議に向けた事前の質問」を提出していました(報告の最後に画像を貼り付け)。

 協議の場には、大阪市教委からは、この件の担当である指導部初等教育担当総括指導主事、教育長等との連絡担当である総務部総務課総務グループ係長、協議の担当である総務部総務課連絡調整グループ係長出席。こちらの参加者は要請趣旨賛同の市民15人でした。

 大阪府が実施する「2025大阪・関西万博への学校単位での招待事業」について、大阪府教育委員会が、各市町村教育委員会を通じて各学校に5月31日までに希望日を入力するよう指示している中での協議でした。大阪市教委4月16日に4ブロック別に全市の校長を集めて希望日を入力するよう伝えたところでした。夢洲カジノを止める大阪府民の会は、子どもたちを万博に動員させない運動(「夢洲万博に子どもたちを招待しないでください」署名や大阪府内の小・中学校、義務教育学校へ要請書・チラシなどを届け、万博に子どもたちを連れて行かないでと要請する活動)に取り組んでいます。

【WEB・紙署名にご協力を】物質が埋まる万博へ子どもたちを招待しないでください!
2023年12月19日 新しい署名を開始しました。大阪府在住以外の方も署名OKです。 紙署名とWEB署名の両方にご協力下さい。 WEBで署名 署名用紙をダウンロード 市・町の取り組みにご利用下さい 署名用紙のひな形ダウンロードページへ 有害
事務局通信 3/22
★2024.3.22事務局通信 山川ダウンロード

それらの活動に活きる協議にできたと思います。

協議を通して分かったことは以下です。

(1)大阪府教育庁はこの「2025大阪・関西万博への学校単位での招待事業」を東武トップツアーズに委託し、東武トップツアーズが事務局となって学校万博見学の作業を進めている。
 大まかな日程⇒①5月31日までに大阪府教育庁作成のシステムに学校ごとに希望日を入力 ②10月末までに交通手段も含めて調整・確定 ③11月以降3月までに、団体休憩場所、乗降場・駐車場、見学パビリオン等についての連絡 ④2025年4月に新年度の確定人数等を再入力。
 4月16日の大阪市の説明のための校長会でも、不安・危惧の声もあったが、市教委事務局は、5月31日までに希望日を入力しておかないと、万博が近づいてきて行きたいという声が大きくなっても申し込むことができないので、とりあえず申し込んでおくように勧めたとのこと。一方、どの段階、どの時点で、安全性等の判断ができるのか、学校としての見学はしないことを伝えるとしたらどの時点か等についてはまったく話題にせず、まじめに検討されていない。


(2)「2025大阪・関西万博への学校単位での招待事業」についてどう判断し、どういう対応をするか、大阪市教育委員会として教育委員会会議で確認して進めるべきものであるが、出席した担当者はそのプロセスがどうなっているかこの時点で認識していなかった調べて回答することを確認した。
 万博会場での3月28日の爆発事故を初め、夢洲万博会場の危険性について担当者がほとんど認識していないことが明らかになった。爆発事故や夢洲の土壌問題に関する情報、4月18日の夢洲カジノを止める大阪府民の会の万博協会への「抗議と要請」等を情報として渡し、この情報を知った上で何もしないでこのまま万博見学の手続きを進めるなら、子どもの安全に責任を持つという大阪市教委の根本姿勢が問われると指摘した。
 学校として見学行事をせずとも、子どもたちに、わかっている危険性も伝えないまま無料券を配ることも責任放棄なのではないかとの指摘を行た。子どもたちの命と安全・学びに責任をもつという基本に立ち返って、責任を転嫁し誰も責任を取ろうとしない現在のあり方を見直してほしいと要請した。

(3)「すべての命が輝くために」というテーマで万博の事前学習をするとの方針で、2023年度に、万博協会作成の「ジュニア EXPO2025 教育プログラム」(学習読本)を使った学習指導案の例(小学校低学年用、高学年用、中学生用)とともに、学習読本各学校1冊ずつ配布した(2023年9月 学習読本はホームページにも載っているものであり子どもたちに直接配ったわけではない)。2023年度中に学習を実施した学校は1割程度。学習指導案をつくったのは、万博協会作成の学習読本をそのまま使うのは対象の児童生徒にとっては難しいと考えたから。2024年度には、パビリオン情報等を落とし込んだ児童生徒用の教材を作成し、全員配布する予定とのこと。市教委事務局担当者からは、「(イスラエル参加や能登震災復興との関係の指摘については)特に考えを持っているわけではない」、万博協会作成の学習読本に企業名が載っていることについては「キャリア教育や環境・情報等の分野の学習において、社会貢献している企業等を招いた学習も増えていて特に問題と思わない」等の発言があった。
 私たちからは、以下のような批判を行いました。
 「イスラエルの万博参加はテーマにまったく反するという批判や万博工事継続が能登震災復興の妨げになっているという指摘について考えようともせず、それらの現実と離れたところで「すべての命が輝く」社会について考える学習をさせようという姿勢が根本的に間違っている。」「万博協会学習読本は、1903年第5回内国勧業博覧会について、人類館事件という忘れてはならない歴史的差別事件にふれることもなく、大きく成功したと紹介。そのことを批判もしないまま活用を進める市教委の姿勢はおかしい。」「万博が野鳥のすみかを奪っていることや万博協会が営巣をさせない対策を指示していることこそ、すべての命が輝く社会に反する実例として学習教材とすべきものだ。」など。

★協議の中でこちらから要請し、市教委側が「受け止めた」と発言した「爆発事故について文書をつくって問い合わせをする」「万博無料招待事業についての大阪市教委としての対応方針の決定プロセス確認し、報告する」等については、今後、実行状況を聞いて報告するようにしたいと思っています。

2025大阪・関西万博への学校単位での招待事業に関する情報

2025大阪・関西万博への学校単位での招待事業 (tobutoptours.co.jp)

ジュニアEXPO2025教育プログラムに関する情報

ジュニアEXPO2025教育プログラム | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト

3.28ガス爆発事故に関する情報

会場建設現場における事故への対応について | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト

夢洲(北港処分地)に関する情報

大阪万博どうすればいい⑧ | 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba (ameblo.jp)

ガス爆発現場の工事再開批判(夢洲カジノを止める大阪府民の会)

夢洲カジノを止める大阪府民の会 (vosakaf.net)

府下の小中学校への夢洲情報の提供・学校への要請活動

府下の小中学校への夢洲情報の提供を行います | 夢洲カジノを止める大阪府民の会 (vosakaf.net)

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