２０２５年１月１５日　大阪市教育長あて「万博参加の労災防止」要請書（１１月５日の労使協議後の有毒ガス対策の現状についての説明と質疑の場を求める要請書）を提出

　なかまユニオン学校教職委員支部は、万博遠足にかかわって、府教委と大阪市教委に「労災防止」要求書を提出し、大阪市教委とは２０２４年１１月５日に団体交渉を行いました。その『「遠足引率での労働災害（公務災害）防止対策要求」大阪市教育委員会団体交渉の報告』の２０２４年１１月２１日付組合ニュースは以下です。
教職員なかまユニオンニュース　2024.11.21　　　　一酸化炭素（CO）が漏れ続けている万博会場に　　　このまま遠足に行く訳にはいかない！ | 教職員なかまユニオン
　１月１５日、大阪市教委に、その労使協議後の有毒ガス対策の現状についての説明と質疑の場を求める要請書を提出したので紹介します。

要請書
〇要請内容

要請書

２０２５年１月１５日

大阪市教育委員会
教育長　多田勝哉　様
（教務部・公務災害担当　　　様）
（指導部・万博学校参加担当　様）

なかまユニオン・大阪市学校教職員支部
支部長　笠松正俊

前略。
　私たちは１０月２２日に「万博の学校参加の引率業務の、労働災害（公務災害）の防止に関する要求書」を提出し、１１月５日に団体交渉と協議（説明と質疑）を持ちました。組合は、メタンだけでなくCOなどの有毒ガスが多量に検出されている現状に対する災害防止対策を要求しました。その場で市教委は、「有毒ガスが発生している現状は問題があるが、開催までには万博協会が防止対策をすると考えている。」「発表を待つだけでなく、市教委からも府教委を通じて情報を取りに動く。」（要旨）と回答しました。

　その後、１２月１８日と２０日に内閣府と万博協会が政令市を含む全国の都道府県への説明会を開催し、それを受けて大阪市教委は１月２９日・３０日に全市の校長に説明会を行うとのことです。

　一方、万博協会のホームページで公表されている測定結果（最新１０月）で見る限り、昨年３月のメタン爆発の現場などのガス漏れ対策だけはされていても、各所のガス抜き管地点の測定結果は、CO・硫化水素等も含めて高濃度の「安全基準値越え」が放置されて続いていて、COについては機器の測定範囲（検査上限値）を２０００ppmまで上げたにもかかわらず「OVER」（検査不能）が多発していて、人命の危険も危惧される状況です。　[添付資料参照]

　１月２９日からの校長説明会を受けて、各学校では最終的に、引率当該学年の教員集団を始めとして「行くかどうか」の判断が問われます。有毒ガス発生・汚染状態が変わらない以上、教職員には子どもたちへの災害事故防止の「安全配慮責務」もあり、市教委は各学校任せにせず、「学校参加の見送り」を進めるべき時だと組合は考えます。不幸にも被災事故が起きた場合、問題を知っていて対応しなかった責任は、校長以上に教育委員会が問われることになります。

〇要請内容

　以上の現状の中で、１１月５日の労使協議で市教委が回答し預かったことを踏まえて、有毒ガス対策のその後の現状についての説明と質疑の場を、１月２９日に予定の校長説明会までに持つことを申し入れ、早期の日程設定を要請します。
　なお「労働安全衛生法」上、可能性が指摘されている労働災害を防止する責任は、学校現場の管理職（校長）だけでなく、第一義的には雇用（任用）者の教育委員会にあるので、責任ある対応をお願いします。

以上です。