2024年10月11日
大阪市教育委員会
教育長 多田 勝哉 様
なかまユニオン・大阪市学校教職員支部
支部長 笠松 正俊
前略。
表題の内容について、勤務労働条件に関する「要求書」を提出し、早急な団体交渉の開催を申し入れます。
府教育委員会は府財政での万博への子どもの参加を予算化し、学校行事(遠足)での参加を進めています。大阪市教委は、参加の決定は各学校ごととしながらも、この間実務上は学校参加に協力しそれを推奨しています。私たちは、学習内容が未決定で、しかも危険な環境要因が重なっている万博に、子どもが学校行事として参加すること自体に反対です。
しかし、仮にこれが学校ごとに強行実施された場合には、この「危険な環境要因」は全て、校長からの出張命令で「引率」が業務になる教職員にとっての、「労働安全衛生環境」の課題(勤務労働条件)になります。
「労働安全衛生法」は、公務員も含めての労働環境条件について、以下を規定しています。(太字は組合)
第22条 「事業者は、次の健康災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
1 原材料、ガス、蒸気、粉じん、酸素欠乏空気、病原体等による健康障害
2 放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気象等による健康障害
3 (略)
4 排気、排液又は残さい物による健康障害」
第23条 「事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置・・・を講じなければならない。」
第3条 「事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、・・・」
なおここで言う「事業者」は、当然各学校の校長ではなく、以下の規定の通り、労働者(教職員)
を雇用・任用している「教育長」(教育委員会)です。
第2条 「3 事業者 事業を行う者で、労働者を使用するものをいう。」
「労働安全衛生法」を遵守し、労働災害を未然に防止するのは教育長の責務です。現在、3月の
メタンガス事故のような有毒ガスの噴出、PCB有毒廃棄物の埋め立て、今年以上が想定される熱
暑、地震・ゲリラ雷雨時の避難経路等、危険な環境要因が重なっています。万博協会もそれを認め
て「対策」を公表していますが、その内容は極めて不十分です。
〇 以上の理由で、以下の3点を要求します。
- 万博協会が公表した「対策」計画の内容について、「引率業務」労働の使用責任者としての教育委員会(教育長)としての評価を、組合に表明し説明すること。
- 万博協会が公表した「対策」計画の現時点での内容では決定的に不十分なので、府教育委員会と直接万博協会に対して、有毒ガスの噴出、PCB有毒廃棄物の埋め立て、今年以上が想定される熱暑、地震・ゲリラ雷雨時の避難経路、等の危険な環境要因に対する対策を明示するように、大阪市教委(教育長)から求めること。
- 万博協会が現在以上の有効な対策を公表できなかった場合は、労働災害が発生する可能性が高いと判断し、学校行事参加のための事務執行を中止すること。
〇 添付資料(別紙)
[参考資料 1]
https://vosakaf.net/archives/2656
市民団体(夢洲カジノを止める大阪府民の会)が、万博協会が公表した「対策」計画の評価に関して作成された資料。
(私たち組合も、この内容の多くについて、同じ危惧を持っています。)
[参考資料 2]
https://vosakaf.net/archives/1515
万博協会が公表している「対策」計画の資料より
以上です。