(紹介)かつて学校に送ったD-TaCの「お願いメール」 2020年2月 子どもたちに「君が代」について、正しい情報を伝えてください

 市民団体D-TaCは、卒業式に向けて、毎年、大阪市立学校に「お願いメール」を送っています。2022年~2025年の「お願いメール」は、このホームページで紹介していますが、ここでは、2022年2月のメールを紹介します。

【以下、D-TaCブログより】
子どもたちに「君が代」について、正しい情報を伝えてください | 「君が代」不起立処分撤回!松田さんとともに学校に民主主義を!

 大阪市教委は、2020年3月卒業式に向けて、2月3日付で、今年も昨年同様の教育長通知「卒業式及び入学式における国旗掲揚・国歌斉唱について(通知)」を出しました。この通知は、職務命令で教職員に起立・斉唱を命じることで、卒業式参加者全員が「日の丸」に向かって起立し、「君が代」を歌う場面を演出して、児童・生徒に「日の丸」「君が代」とそれらが象徴する国家を崇高なものと感じさせ、国に従う意識を刷り込むためのものです。

市民団体に対する回答中にはある子どもたちの人権への配慮を、学校現場には伝えない市教委の対応を批判して、私たちは、昨年も、学校と教職員の皆様への要請を行いました。

(D-TaCブログ「『君が代』指導にかかわる市民協議の議事録」参照
https://democracyforteachers.wordpress.com/2019/06/25/

私たちは、「君が代」指導の改善を求めて、今年も、学校、および、教職員の皆様に要請を行います。以下が要請文です。ぜひ、多くの方に知っていただき、いっしょに声を上げてほしいと思います。


校長先生、教職員のみな様へ D-TaCからのお願い子どもたちに「君が代」について、正しい情報を伝えてください「君が代」の「君」や「君が代」の意味は?

2020年2月

D-TaC(Democracy for Teachers and Children

~「君が代」処分撤回!松田さんとともに~) 

 私たちは、多くの大阪市立学校で、教育長指示に基づいて行われている卒業式・入学式の「君が代」起立・斉唱指導のあり方を問題として、大阪市教委や学校に要請活動を行っている市民団体です。教職員のみなさまに「君が代」の歴史や歌詞の意味を子どもたちに正しく伝えていただきたいと思います。
 「君が代」は1999年8月、国旗国歌法によって国歌とされました。政府はその時、『「君が代」の「君」は憲法に規定された象徴としての天皇を、「君が代」は日本の国を指しており、「君が代」の歌詞の意味は「日本の国の末永い平和と繁栄を願う」というもの』とする解釈を示しました。
 しかし、『「君が代」は日本の国のことだ』という日本政府の解釈には無理があるため、多くの学校では、歌詞の説明はせずに、「国歌なのだから歌いましょう」という「指導」になっているのではないでしょうか。私たちは、納得できる説明ができない場合は、無理やり押し付けるのではなく、正確な情報を伝えることこそが必要だと思っています。
 最近「合理性のない決まり」の見直しが言われています。「学校の決まりごと」に大きな抵抗感を感じ、不安・嫌悪感から不登校になっている生徒が増えているとの報告もあります。
 私たちは、「君が代」の「指導」のあり方は、これらの問題ともつながる大切な課題だと考えています。

 「君が代」はどんな歌なのでしょうか?

 江戸時代までいろんな意味付けをし、いろんな節回しで、めでたい席などで歌われていた古今和歌集掲載の詠み人知らずの古歌を、天皇治世の永遠を願う歌としての意味付けを行い、曲をつけて天皇制国家のシンボルとして採用したのは、明治政府です。そして、「君が代」は、天皇のために命を捧げることが最高の美徳という意識を刷り込む学校教育の中で、重要な役割を果たしました。

  戦争中の1942年に文部省が発行した国定教科書(初等科修身二)では、「君が代」について以下のように記述していました。
『この歌は、「天皇陛下のお治めになる御代は、千年も萬年もつづいて、おさかえになりますやうに。」といふ意味(いみ)で、國民が、心からおいはひ申しあげる歌であります。「君が代」の歌は、昔から、私たちの先祖(せんぞ)が、皇室のみさかえをおいのりして、歌ひつづけて来たもので、世々の國民のまごころのとけこんだ歌であります。』
 「昔から、私たちの先祖が、皇室のみさかえをおいのりして、歌ひつづけて来たもの」「世々の國民のまごころのとけこんだ歌」は明らかに史実に反する嘘であり、こんな嘘で、子どもたちの心に天皇崇拝を植えつけたのです。

 日本国憲法の下では、「君が代」を「天皇陛下のお治めになる御代」とするわけにはいかないので、政府は、「日本の国」と読み替える解釈を示したのですが、学校教育は、今また、かつてと同じ過ちを繰り返そうとしています

 現在の小・中学校の音楽の教科書(二社)は、「君が代」の歌詞の大意として政府見解である「日本の国の末永い平和と繁栄を願う歌」との説明を載せていますが、これが、1999年国旗国歌法制定時に日本国憲法下での解釈として示された政府見解であるという説明がありません。

 教育出版の教科書(中学校音楽)では、「日本がいつまでも平和で栄えるようにとの願いがこめられています。誇りをもって歌いましょう。」とまで書いています。「日本がいつまでも平和で栄えるようにとの願い」を、いつ、誰がこめたのでしょうか?平安時代ですか?江戸時代ですか?明治時代ですか?そんな願いを「君が代」に込めた者など誰もいません。事実は、1999年の国旗国歌法制定時、政府がそういう解釈を示したということにすぎません。教育出版教科書の記述は虚偽に近いものであり、戦前の過ちにつながるものといえます

 「君が代」を「日本の国」とする政府見解がうまく説明できないからといって、歌詞の意味にはふれずに、「『君が代』は国歌」とだけ説明して、子どもたちに起立・斉唱を求めるのは、「子どもの権利条約」にも反する非教育的態度です。自分たちが納得できないことを無理に子どもたちに押しつけるべきではありません。

 「歴史を正直に説明すればいい。判断するのは子どもたちなのだ。」とするのが学校、そして教職員のあるべき姿ではないでしょうか。ぜひ「君が代」の歴史(歌詞の意味や扱いの変遷)を伝える形に指導のあり方を見直していただきたいと思います。よろしくお願いします。

(注)「子どもの権利条約」
第12条【意見を表す権利】…子どもは、自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利をもっています。その意見は、子どもの発達に応じて、じゅうぶん考慮されなければなりません。
第13条 【表現の自由】 … 子どもは、自由な方法でいろいろな情報や考えを伝え権利、知る権利をもっています。
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