CEART(「教員の地位勧告」に関するILO/ユネスコ合同専門家委員会)第14回勧告(2021年10月4~8日)と 国連の自由権規約委員会第7回日本政府報告審査「総括所見」(2022年11月3日公表)にかかわって、2月1日、教職員なかまユニオンは、大阪府教育委員会に要望書を提出しました。
以下
2023年2月1日
大阪府教育委員会
教育長 橋本 正司 様
なかまユニオン大阪府学校教職員支部
支部長 山田 光一
要 望 書
❶「地方公務員法『管理運営事項』逐条解説」に記載されている考え方「管理運営事項の処理の結果、影響を受けることがある勤務条件については、それが勤務条件である以上、交渉の対象となるものであり・・・」との解釈は文科省も現認されているところです。
「労使関係における職員団体等との交渉等に関する条例」における管理運営事項の取扱いと「地方公務員法『管理運営事項』逐条解説」に記載されている考え方との齟齬がある点について交渉の中で整理し、教員の勤務労働条件に関わる問題は交渉の対象であることを明確にされるとともに、CEART第13回第14回勧告で要請されている「社会的対話」を教員団体とともに持っていくことを表明されるよう求めます。
❷ CEART第14回勧告(2021年10月4~8日、原文および仮訳は添付資料をご参照ください)について、大阪府教育委員会に関わる内容が勧告されていることは承知されておられるか否か。それに関する検討をされた日時と検討された内容について明らかにされること。また、貴委員会から大阪での教職員なかまユニオンとの関係においてCEARTから指摘された点について文部科学省と意見交換や検討をされた日時と検討された内容についてお示しいただくことを求めます。
❸ 国連の自由権規約委員会第7回日本政府報告審査「総括所見」(2022年11月3日公表、原文および仮訳は資料を参照ください)について、貴委員会に関わる内容が勧告されていることは承知されておられるか否か。それに関して検討された会議の日時と検討された内容について明らかにされることを求めます。
❹ 市民的及び政治的権利に関する国際規約を遵守する立場から、自由権規約委員会第7回日本審査総括所見パラグラフ38・パラグラフ39の懸念と勧告を受けて、以下の3点について、直ちに対応されることを求めます。
① パラ38に記された「君が代不起立処分」に対する自由権規約委員会からの懸念を真摯に受けとめ、学校の儀式的行事における静かで破壊的でない教員の不服従行為に対して懲戒処分を科すことは控えて下さい。
② パラ39の勧告に従い、思想・良心・宗教の実質的な行使を保障するために、学習指導要領や地
方公務員法が、規約で許容された制約を超える運用がなされていないか点検して下さい。特に、
2023年1月20日通達「2022年度卒業式及び2023年度入学式における国歌斉唱等の対応について」は、パラ38で懸念が示されたように規約で許容された制限を超えた自由を制約する法令であることは明らかなので、ただちに撤回することを求めます。
③ 国連の自由権規約の前文と第18条・50条について大阪府教育委員会として日本政府と共に遵守されるご意思をお持ちであることを表明されるよう求めます。
❺ 2023年1月20日通達「2022年度卒業式及び2023年度入学式における国歌斉唱等の対応について」での「公務員に起立・斉唱等を求める職務命令」を発出するよう校長等に出された指示を撤回されること。「教員の地位に関する勧告」(1966年)のパラ63・80を尊重した教育行政を行われる意思をお持ちであることを表明されるよう求めます。
上記の❶~❺の5点の要求についての事前回答のうえ、
交渉の場を2月24日(金)までに設定していただくよう求めます。