苦情相談申込書と苦情相談追加申出書

以下の2通は、組合員が大阪市教委に提出した苦情申し立てです。本人の了解を得て、紹介します。)

 「能力評価項目の自己評価を数値で記入できなかった」ことを「規律性が低い」と評価していいのですか?!   所属組合員が2018年度評価、2019年度評価に苦情を申し立てています。 以下は、2019年度評価に対する苦情相談申込書と苦情相談追加申出書です。


2019年度人事評価結果に対する苦情相談

2020年3月23日 

 大阪市立●●中学校教諭 ●●●●

【苦情の内容】

「能力評価の項目について自己評価の数値を記入できなかったこと」を、「規律性が低い」として「規律性」の項目を「2」と評価されたこと。昨年も、この点について苦情を申し立てたが、私の苦情申し立ての理由に対して、大阪市教育委員会からきちんとした説明を受けていないため、納得できる説明を受けたい。

【昨年度からの経過と苦情の理由】

1.2018年度人事評価において、能力評価の項目に対する自己評価不記入を「規律性が低い」とされたことに対して苦情申し出を行った。(2019.4.17 苦情相談追加申出書参照)

<理由>

  1. 「能力評価項目の自己評価を数字で記入できなかった」ことを「規律性」の問題にはできないはずである。
  2. 「能力評価項目の自己評価」は、私の場合、その制度上の意味とされている「自己の振り返り」にはまったく役立たず、苦痛でしかない。
  3. 大阪府の制度「評価・育成システム」には、能力評価の項目には自己評価はなく、制度上不可欠なものではない。

2.2019年9月4日付で教育長名の審査結果通知書が送られてきた。

<審査結果>評価について「妥当である」と決定したので通知します。

<理由>評価結果に影響を及ばす事実誤認や評価ルールの逸脱は認められないことから、

規律性2.0は妥当であり、手続きに不備はないと判断する。

その後、私の苦情にかかわる苦情審査会について個人情報開示請求を行い、開示文書を受け取った。8月21日に行われた苦情審査会議事要旨の意見の概要には、以下の内容が記載されていた。

  1. 人事評価制度には効果的な人材育成を行う目的がある。
  2. 自己評価は被評価者の振り返りを行うもので、教職員の意識改革に資するものと位置づけされている。
  3. 校長から入力を行うように指示したにもかかわらず、行わないことを鑑みると、規律性を期待レベル以下と校長が判断したことは妥当である。

この判断は、私の苦情申出理由への回答になっていないと思ったが、苦情対応は、審査結果通知書の発送をもって終わるとのことで、苦情審査会の判断について、質問したり、意見を述べたりすることは認められなかった。

3.2019年度の人事評価については、目標管理にかかわる期末評価と自己評価の数値を記入して。2020年1月22日に一次評価者(副校長)に送信した。能力評価項目についての自己評価の数値を記入していなかったため、差し戻しになったが、能力評価については自己評価の数値を記入できないことを伝え、1月23日、同内容で送信した。2月19日の校長面談での学校長の主な話は、「こんなこと(自己評価不記入)に力を使うより、もっと教育活動に力を使うべきではないか」というものだったが、私は、「できないから記入しないのであり、ともかく何でもいいから数字を入れておくということは、私の教育活動の基本を投げ捨てることになる。教育活動にきちんと向き合うためにも、数値記入できないことを認めてもらいたいのだ。」と話した。その気持ちを伝えたいということで、次の日、大阪弁護士会の人権侵害救済申し立てにかかわって提出した2種類の文書(人権侵害救済申立書と大阪弁護士会からの紹介があった件についての回答)を、校長・副校長に手渡した。

4.コロナウィルス感染防止の関係で、私の勤務形態が3月19日から自宅での研修となったため、2019年度の評価結果を記入した目標管理シートと人事考課シートは、3月22日(日)、必要資料を学校に取りに行った際、教頭より受け取った。能力評価の「規律性」は、昨年度と同様「2」であった。3月23日(月)に学校に電話し、「規律性」の評価「2」の理由は、唯一能力評価項目への自己評価数値不記入であることを学校長に確認している。

5.以上1・2の経過のとおり、2018年度人事評価結果への私の苦情申出に対して、「評価は妥当」とする苦情審査会判断についての説明がなく、開示された議事要旨を読んでも、苦情申出理由への回答にはなっていないものであった。私は、「能力評価項目の自己評価を数値で記入できなかった」ことを「規律性」の問題にはできないはずだと考え、大阪弁護士会に人権侵害救済を申し立て、申立書を提出している。関係資料を添えて、再び、苦情申出を行うので、大阪市教育員会には、「能力評価項目の自己評価を数値で記入できなかった」ことを「規律性」の問題にはできないのではないかという私の疑問・主張に対して、根拠を明確にした判断・説明をいただきたいと思う。

※添付資料

評価結果通知のために手渡された2019年度の「目標管理シート」①と「人事考課シート」②、2018年度人事評価結果に対する「苦情相談追加申出書」③、2018年度人事評価結果についての「審査結果通知書」④、2019年8月21日「苦情審査会議事要旨」⑤、大阪弁護士会に提出した2019年11月11日付「人権侵害救済申立書」⑥、大阪弁護士会から照会のあった件についての2019年11月29日付「回答」⑦


2020年4月22日

大阪市教育委員会事務局

      教職員制度担当課長様

大阪市立●●中学校教諭

●●●●

苦情相談追加申出書

 4月17日に職場で、4月15日付の苦情対応調書を受け取りました。

記載内容は、「2 総評」が「申出内容を踏まえて関係者等に確認を行ったところ、一定の評価根拠が示され、重大な錯誤や評価エラー等、評価結果を修正するべき事由は確認できませんでしたので、以上により文書回答といたします。」でした。また、「1 『能力評価に関する苦情』について」「『規律性』について」は、以下の通りでした。

「本評価項目の着眼点は、『教職員としての自覚と認識を持ち、服務規律を遵守するとともに、管理職の指示・命令に従い誠実に業務を遂行していたか。』とあり、評価根拠について評価者に確認をしたところ、『制度上、教育職員に求められていることであり自己評価は入力するものであると指示したにも関わらず入力しなかった点が、期待レベルに達したとは言えず、2と評価を行った』とのことです。人事評価制度は、能力開発、人材育成を行ううえで必要となる行動(①計画を立て、②行動し、③結果を振り返り、④来期へつなげる)を繰り返し行うための仕組みであり、評価者・被評価者ともに、評価の結果明らかになった教職員の仕事の成果、能力を双方できちんと把握し、評価者からの必要な助言・指導・激励等を行うことで、OJTをより有効に機能させ、効果的な人材育成を行うことができます。人事評価制度を意味あるものとするためにも、評価者・被評価者ともに、一人ひとりがその目的をしっかりと理解し、適切に運用することが重要とされています。」

これらは、私が2020年3月23日付の苦情相談申込書でお願いした「大阪市教育委員会には、『能力評価項目の自己評価を数値で記入できなかった』ことを『規律性』の問題にはできないのではないかという私の疑問・主張に対して、根拠を明確にした判断・説明をいただきたいと思う。」に対する回答になっていません

苦情相談申込書にも書きましたが、2月19日の面談での校長の話は、主に「こんなこと(自己評価不記入)に力を使うより、もっと教育活動に力を使うべきではないか」というもので、能力評価項目に自己評価の数値を記入すべき理由として校長が言ったことは、「制度で決まっている」ということだけでした。私が、なぜ数値を記入できないかを説明し、その理由にかかわる、大阪弁護士会に提出した2種類の文書を渡したのち、校長からは、私の主張に対する反論・説明を受けていません。

そもそも、能力評価項目への数値記入ができない者を「規律性」が低いと評価するのかどうかは、制度の問題、大阪市教育委員会の問題です。

 私は、2020年3月23日付「2019年度人事評価結果に対する苦情相談」において、個人情報開示請求で知った昨年の苦情審査会の議事録をふまえて、以下を要請しています。(以下、抜粋)

「5.以上1・2の経過のとおり、2018年度人事評価結果への私の苦情申出に対して、「評価は妥当」とする苦情審査会判断についての説明がなく、開示された議事要旨を読んでも、苦情申出理由への回答にはなっていないものであった。私は、「能力評価項目の自己評価を数値で記入できなかった」ことを「規律性」の問題にはできないはずだと考え、大阪弁護士会に人権侵害救済を申し立て、申立書を提出している。関係資料を添えて、再び、苦情申出を行うので、大阪市教育員会には、「能力評価項目の自己評価を数値で記入できなかった」ことを「規律性」の問題にはできないのではないかという私の疑問・主張に対して、根拠を明確にした判断・説明をいただきたいと思う。」

苦情審査会においては、【苦情の内容】「昨年も、この点について苦情を申し立てたが、私の苦情申し立ての理由に対して、大阪市教育委員会からきちんとした説明を受けていないため、納得できる説明を受けたい。」に対して、きちんとした回答をいただきたいと思います。

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(以上、2通です。)

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